ローエンドからハイエンドまでさまざまな製品を実際に見て購入できる場を提供し、Appleに対抗するためだ。現在カリフォルニア州のミッションビエホとアリゾナ州のスコッツデールの店舗を準備中で、「これらの店舗ではWalmartなどでは販売されていないハイエンドPCも販売する」としている。
Appleに対抗するとは言っても、「我々はAppleとは違う。彼らはすべてを垂直的に提供する企業だが、Microsoftは業界全体でエコシステムを促進する企業。このエコシステムで、どれだけ幅広く製品を提供できるかを見てもらいたい」とHuston氏は説明する。
Microsoftの小売店舗は現在試験的なもので、海外展開の予定はまだないが、「このコンセプトがうまく受け入れられれば海外展開も視野に入れたい」としている。
Windows 7はすでに売れ行き好調
すでにプロモーションにて先行予約を受け付けているWindows 7だが、Huston氏によるとこうした事前販売などでWindows 7を予約したユーザー数は「すでにWindows Vistaが発売後1カ月で売れた数を上回っている」という。「最初のプロモーションでは全世界で約100万コピーを特別価格で販売したが、ほんの数時間で売り切れてしまった。ドイツに至っては数分で完売だった」とHuston氏。現在も日本の小売店ではWindows 7の空箱を店舗に並べて予約販売しており、こちらの売れ行きも好調だという。
また、「日本の企業でも、すでに163社が早期試験ユーザーとして登録している」とHuston氏。「Vistaのリリース時には、同様のプログラムに18社しか参加していなかった。そのことを考えても、いかに企業がWindows 7を待っていたかよくわかる」とHuston氏は述べ、Windows 7の導入は順調に進むだろうとした。
一方、思ったように普及が進まなかったとされるVistaについてHuston氏はどう考えているのだろうか。
「Vistaに対してはさまざまなとらえ方がある。製品の発表が予定より遅れたこともあり、必ずしも製品リリースがうまくいったと言えないし、保守的な企業ではVistaの導入に踏み切れなかったところもあるだろう。Vistaは高いマシンスペックが必要だったこともあり、一部のPCでしか導入できなかったことも事実だ。しかし、売れなかったと言われているが、実際には多くのユーザーがVistaを問題なく使っていた」(Huston氏)
XPからVistaへは「大きなステップだった」とHuston氏は言う。それは、本格的なエンターテインメント機能が搭載された初めてのOSだったからだ。ただし、高いマシンスペックを必要としたことについては反省点と考えており、「Windows 7では、Vistaのようなエンターテインメント機能を維持しつつ、パフォーマンスを調整して軽いOSにした」とHuston氏。
Huston氏自身も、Windows 7で気に入っている点は「起動時間が短く、エンジンがうまく動いていると実感できること」だという。「すべてにおいてレスポンスが良くなっている。もちろん機能的にも、ほかの家電との接続性を高める機能など充実させてはいるが、やはりパフォーマンスが良いことはどんなOSにとっても一番重要なことだ」(Huston氏)