求められる経営のリアルタイム化--経営情報の“鮮度”を保つために何をすべきか

斎藤和宣(ディーバ) 2009年10月07日 08時00分

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スピードが重要

 「連結経営」を実践するにあたり、そのスピード感に対する要求レベルはPDCAプロセスのどこのプロセスかによって異なると思われる。予算策定の段階においては、2カ月前後の期間をかけて編成され、効率化・高速化は重要な要素ではあるが、どちらかというと、可能な限り予算内容の実行性を高めるために議論を重ね、合意形成がなされることの方が重要だろう。とはいえ、合意形成の時間をより多く作るために、予算を集計/シミュレートする仕組みとしては高速化を強く求められることに変わりはない。

 一方、実績の測定、見通しを組み立てる段階では、集計の高速化、プロセスの効率化が強く求められる。たとえば月次の実績測定が翌月の月末になってしまっているようでは、適切なアクションを取るタイミングを逃してしまう可能性すらある。あえて言えば、スピードが正確さより重視されると考えてよいだろう。

 こうしたことからも連結経営のPDCAを支える仕組みとしては、スピード感を上げ、効率的であることは相変わらず重要な要件となる。そこで、PDCAの“C”(チェック)と“A”(アクション)の局面を想定しながら、どのような観点で高速化・効率化を考えられるのか考察してみる。

新鮮なデータを集める

 通常、グループの情報がすべて共有化された仕組みで運用されていることはないため、必ず各社からデータを収集するプロセスが必要になるが、そこでの高速化・効率化について考慮するべき観点がある。

 まずは、必要なデータを整備するにあたって、グループ会社側で改めてデータを作成・加工する範囲を小さくすべきである。つまり、日々のオペレーションの中で、必要とされる情報区分を持ったデータを登録し蓄積していくことである。たとえば、会計システムで「部門」が登録できるよう設計がなされていても、日々の業務の中で登録されていなければ、グループ会社としてはデータ提出時に別途部門別の情報を加工する必要性が出てきてしまう。

 次に、人手を介さない領域を増やしていくこと、つまり、グループ会社で利用しているシステムと連結経営システムの間でのデータ連携を進める必要がある。これだけシステム化が進んできた中で、意外ではあるかもしれないが、会社数でみれば、まだ大多数のグループ会社でデータ連携できていないのが現実である。

 また、システム化されていない情報などはどうしても人手を介して収集する必要があり、グループ会社全体でのオンラインのインフラ環境が不可欠になる。オンラインのインフラ環境は、相当程度整備されていると思われがちであるが、これもまたグループを網羅して整備されているケースは実は非常に少ないのが実態である。

 そのほか、以前に利用したデータを再利用する手法も一つの手段と考えられる。たとえば、見通し情報については、前月登録データを基本的に活かし、修正すべき点だけ変更するという方法もデータ登録を支援する方法だと思われる。

 ところで、例に漏れず経理分野のシェアード化も有効な手段の1つである。使用するソフトウェアの共通化や(人材ではなく)“人財”の集約、業務の標準化などいくつもの効果が期待されてシェアード化を実施している企業も多く存在する。前述のデータ連携も、シェアード化していると実現しやすいなど、利点は大きいと思われる。ただし、個人的には、人財の集約については、“レベル感”を誤ってはならないと感じている。個々の会社にとっては、経営情報の基礎になる部分を形作る業務を担っている人財であることを考えると、すべてをグループの各会社から外部化することは、個社の経営にはマイナスに働くと思われるからだ。

シンプルなデータ加工・処理

 グローバルに広がるグループ会社からの情報は、通貨も異なっており、集約するためには換算したり、余計な部分を消去するなど、経営情報として加工する必要がある。そのため、データ加工・処理における高速化・効率化も考えておかなければならない。

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