Exchange Serverの開発チームは、Exchange Server 2007開発の途中段階から所属が変わっている。従来はWindwos Server開発チームの所属だったが、Office開発チームが所属するインフォメーションワーカー部門に移管したのだ。
その点からも、今回のExchange Server 2010がOffice 2010の開発チームと緊密な連携をとって開発した初めての製品といえるのだ。
横井氏は「6月からテクニカルプレビュー版を使用しているが、Exchange Server 2010とOffice 2010のシームレスな連携によって実現される使い勝手の良さには驚くものがあり、テクニカルプレビュー版という安定性が悪いバージョンでありながらも、少し我慢して使用したいと思うほど」と、自信を見せている。
Exchange Server 2010とOffice 2010などとの連携により、PC、携帯電話、ウェブ(サービス)といった異なる利用場面でもシームレスな活用が可能であり、「これまでのように電子メールはメール、スケジュールはウェブ、連絡帳は手帳というように、異なる使い方を統合することができる」(横井氏)という。
Exchange Server 2010は計画通り年内発売予定
日本のユーザーからのフィードバックを反映したことも大きな特徴で、日本の組織体系にあわせて部門ごとなどに対象者を検索できる階層化アドレス帳を採用するとともに、多くのチームメンバーの予定をひと目で表示するために、グループスケジュールを縦型から横型へと変更した。
さらに、当初からサービスを視野に入れた開発コンセプトとしており、「S+S(ソフトウェア+サービス)ビジョンに対応した初めての企業向けソリューション」(横井氏)になるという。
社内に設置したExchange Server 2010と、ホスティングで利用するExchange Onlineとの共存運用も可能で、メールボックスの移行もシームレスに行えるという。
「Exchange Server 2010によるオンプレミスの運用から、約半年後にオンラインでも提供できるようにする」(横井氏)との意向だ。
なお、Exchange Server 2010の正式に発売日については、10月29日にITPro EXPO 2009のなかで開催される「マイクロソフトの新世代プラットフォーム」と題した特別講演のなかで、マイクロソフト代表執行役社長 樋口泰行から明らかにされる予定。
「現在はRC版の段階にあり、近々RTM版をリリースでき、年内の発売予定という計画通りに出荷できる」(横井氏)という。