富士通は新要件定義手法を「社内およびグループに展開する予定で、2009年度第3四半期からは(ビジネスアーキテクトなどの)業務分析のプロフェッショナルや、各業種別本部の品質管理部門に研修を実施するほか、要件定義内容監査の一環として要件定義構造チェックを開始する」(若杉氏)という。

同社では新要件定義手法のほかに、内容品質に関わる手法を体系化する考えで、年度内に概要を取りまとめることになるという。
こうしたベンダー側の改善が進む一方、八野氏は「ユーザー企業には要求と要件が違うということをわかっていただきたい。要求とはやりたいことを洗い出すものであり、要件とは機能に着目し、投資金額や投資期限を前提として、できる内容を定義するもの」と述べ、両者の違いを強調している。
「エンドユーザー部門は要件定義を説明すると理解が早いが、情報システム部門は頭が固い場合があり、要求を数多く出す一方、要件定義が終わる頃に何でそれができないのかと言われ、SEが説得しなくてはならないというのが実態。これは改善していかなくてはならない」と述べている。