Ray Ozzie氏が、ソーシャルへの取り組みを強化している。
とは言っても、Microsoftのチーフソフトウェアアーキテクトでブログを滅多に更新しない同氏が、自身の行動について、「Twitter」に逐一投稿することを決めたわけではない。具体的に言えば、Ozzie氏がMicrosoftに新しいソーシャルコンピューティングラボを設立したのだ。Microsoft ResearchのベテランであるLili Cheng氏が同ラボを率いる。
このFuture Social Experiences (FUSE) Labsは、既存の3つの取り組みを統合する。それらは、Microsoft Researchに属するCheng氏のクリエイティブシステムグループと、既にOzzie氏の指揮下にあった2つの部門(Media LabsグループとStartup Labsグループ)である。
Ozzie氏は米国時間10月8日、Microsoft従業員に電子メールを送り、今回の動きとその重要性について伝えた。
「統合される3つのグループは、『ソーシャル』が共有と出会う分野、『ソーシャル』がリアルタイムと出会う分野、『ソーシャル』がメディアと出会う分野、『ソーシャル』が検索と出会う分野、そして、『ソーシャル』がクラウドやスリースクリーンズ(テレビとPC、携帯端末)、多様なデバイスと出会う分野において、具体的なスキルとコードを有している」とOzzie氏は、米CNET Newsが確認したメモで述べた。
「彼らは高度な開発プロジェクトにおいて、既に複数の製品グループと積極的に連携し、それらのグループが『リープフロッグ(通常の過程を飛び越して一気に次の段階に進むこと)』な取り組みで成功を収めるのを支援している。FUSE Labsは、そうした開発プロジェクトに、より大きな一貫性と能力をもたらすだろう。(Microsoft Research)と密に協力し、弊社の各部門をまたいで作業することによって、FUSE Labsが優先する取り組みは、自らの能力を適用でき、さもなければ弊社の現存のミッションや構造、テンポ、リスクのためにわれわれが重要な脅威や機会を見逃しかねない分野である」(Ozzie氏)
さらに、Ozzie氏はメモで、ソーシャルコンピューティングの性質が変化していることにも言及した。
「長年にわたり、技術に基づく「ソーシャル」革新は、コミュニケーションやコラボレーション(メッセージングやチャット、通話、ミーティング、カンファレンス、共同編集、文書共有、コラボレーション、マルチプレーヤーゲームなど)という観点から見られることが最も一般的だった」とOzzie氏は述べた。
「最近になって、『ソーシャル』であるすべてのことが、多くの要素によって変わり始めている。それらの要素とは、有線と無線両方における常時接続で高帯域のインターネット、人々をつなぐことの容易さ、デジタルカメラやカメラ搭載携帯電話機、『アプリ対応』携帯電話機の劇的な普及拡大、ネット接続対応のゲーム機やテレビなどだ」(Ozzie氏)
この新しいラボを率いるCheng氏は、ソーシャルコンピューティングを専門としてきたが、「Windows Vista」の設計に関してMicrosoftのJim Allchin氏を支援するなど、ほかの分野にも取り組んできた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ