不況が突きつけたCIO本来の役割--CIO Comes Around - (page 2)

原田龍一(クニエ)

2009-10-09 20:11

目先の仕事にとらわれ続けるCIO

 先に挙げた項目は、CIOやIT部門がIT戦略の一環として常に検討しておかなければならないものです。しかし、CIOは目の前の対応でそれどころではなく、高い意識こそ持っていても、なかなか取り組めなかったことが問題だったのです。

 つまり、未曾有の不況は、CIOが本来取り組まなければならない問題(あるべき姿)を、現実的で優先度の高い問題として突きつけてきたと言えるでしょう。

 加えて、工事進行基準によるベンダーとの付き合い方の変化、新型インフルエンザの流行による危機管理、事業継続計画立案の現実化、絶えず晒される情報漏洩のリスクなど、常に目を光らせておくべき現実的な問題はたくさんあります。

 さらにこのような問題の背景には、IT部署のリソースの品質、育成の問題、IT組織の在り方の問題など、自分たちの実力の問題が根底にあるといえます。

IT部門の実力、気構え、モチベーションが足りない

 CIOとの対話の中で最近、よく目にする姿があります。それは、現状のIT組織の実力、気構え、モチベーションが、今まで先送りにしてきた問題に取り組むには少し足りず、これらをどうやって向上させればよいかと悩まれている姿です。

 しかし、実力アップに特効薬はありません。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

関連キーワード
クニエ
経営

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]