不況が突きつけたCIO本来の役割--CIO Comes Around - (page 4)

原田龍一(クニエ)

2009-10-09 20:11

 CIO自身は若い時から相当忙しく働きながらも常にモチベーションを高く維持し、会社にどう貢献できるかを常に考えていたからこそ、今のポジションにいるはずです。しかし、それをスタッフ個人の能力の問題と片付けずに、組織全体が成長するための必要な問題と認識し、実力アップを図るための活動を組織全体で推進する環境を作ることが、CIOの大きな責任のひとつです。

 このような考えは、次のような施策として具体化できるのではないでしょうか。

  1. 実力アップのための活動をIT部門の重要施策と位置づけ、その活動への貢献を明確な評価対象とする
  2. トップマネジメントに(1)の必要性を納得させる
  3. 活動時間を業務時間内に確保するだけでなく、死守する
  4. 活動は特定のスタッフに命ずるのではなく、やりたい者から立候補させる
  5. スタッフからの建設的な提言の場を常に用意する
  6. 業務部門との業務外交流を活発化させる

 最初なので、思い入れたっぷりの記事になってしまいました。しかし、CIOが取り組むべき問題は山ほどあります。また、企業のIT部門が置かれている現在の状況、閉塞感、危機感を少しずつでも打破していくために、本連載が取り組みのヒントとなれば幸いです。

 次回からはもう少し具体的な話題――IT戦略、投資対効果、事業継続、ベンダーマネジメント、方法論構築など――と、CIOの役割について整理し、提言します。

Eric
著者紹介

原田龍一(株式会社クニエ マネージングディレクター)
大手システムインテグレータ、外資系コンサルティング会社を経て、2006年に株式会社クニエ(旧NTTデータ ビジネスコンサルティング)入社。マネージングディレクターとしてCIOサポートを中心としたコンサルティングサービスを提供するアドバンストテクノロジー領域を統括。ERP導入、企業インフラ診断、アーキテクチャー設計、IT戦略立案などのコンサルティングを中心に幅広い知識を有し、数多くのプロジェクトをリードする。

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