2009年10月18日と19日の2日にわたり、Linus Torvalds氏をはじめとする100人のLinuxカーネルの中核開発者が一堂に会し、Linuxの今後の開発について議論する「第9回Kernel Summit」が東京で開催されるのだ。
第1回が2001年にサンノゼで開催されて以降、毎年行われてきた「Kernel Summit」は、2002年から2006年まではカナダのオタワで、2007年はイギリスのケンブリッジ、2008年はポートランドで開催されてきた。
そして今年の東京開催は、アジア地域での初めての開催となる。
今回、日本からは、NTTサイバーソリューション研究所の藤田智成氏、富士通の亀澤寛之氏、Novellの岩井隆氏、NTTデータ先端技術のFernando Vazquez氏、NTTデータ(TOMOYO Linuxプロジェクト)の武田健太郎氏、サイオステクノロジーの佐藤嘉則氏、ルネサス テクノロジのPaul Mundt氏の7人が招待されている。
また、Kernel Summitに続いてLinuxの技術カンファレンス「第1回Japan Linux Symposium」も10月21日から東京で同時開催される。
注目される「ウィキノミクス」の共著者であるAnthony Williams氏の講演や、IBMのLinux戦略を成功させたDaniel Frye氏が参加するパネルディスカッションも予定されている。そこでは、オープンソース開発のコンセプトを適用した産業の台頭や、企業におけるオープンイノベーションの実現にLinuxが果たす役割についての議論が展開されるはずだ。
「Linuxにとって重要なこの2つの会議が、今回アジア地域で初めて開催される意味は大きい。東京で開催される背景には、アジア地域でのLinuxの活用と開発活動が活発化したことがある」とZemlin氏はいう。
Zemlin氏は「Torvalds氏が、どうやってその価値を作り上げたのか、またそれを開発したコミュニティをどうやってオーガナイズしたのか。それらをシンポジウムの議論の中で発見してほしい。また、これらの開発ペースを維持するために、彼が学んだことは何だったのかを知ることもできるだろう。それを日本のLinux開発者にもぜひ理解し、共有して欲しいと思っている」と、Kernel SummitとLinux Symposiumへの抱負を語っている。