企業ユーザーに対し、「『Windows 7』は避けられない」とガートナー

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子 2009年10月16日 13時05分

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 Gartner Groupのアナリストは企業ユーザーに対し、「Windows 7」は「避けては通れない」Windowsリリースとして見るように、とアドバイスしている。

 Gartnerは米国時間10月13日に顧客向けにウェブキャストを行い、「典型的に、企業のアプリケーションの半分以上がWindowsを必要とする」ことから、Windowsを置き換えることは短期的な戦略にはならないとの見解を示した。

 同社のアナリスト、Michael Silver氏とStephen Kleynhans氏はウェブキャストにて、企業ユーザーにWindows 7の機能、ライセンス、実装に関する約1時間のガイダンスを行った。

 プレゼンをまとめると、2人は以下のことを主張している。

  • Windows 7は大きなアーキテクチャ変更リリースではなく、「Windows Vista」を洗練させたものである。しかし、企業にとっては、Windows 7には「あると良い」機能がある。例として、「AppLocker」「BitLocker to Go」「BrancheCache」、ユーザーアカウントコントロール設定の強化、ユーザーインターフェイスのアップデート、「HomeGroups」のサポートなどを挙げている。
  • 企業ユーザーは、Windows 7が関連するダウングレード/アップグレード権について理解しておく必要がある。「Software Assurance(SA)」契約のない企業は、Microsoftは「Windows XP」へのダウングレードを制限(Windows 7のリリースから18カ月間、もしくは「Windows 7 Service Pack 1」がリリースされるまで)しており、この制限は問題になる可能性がある。SAがなく、この制限期間中にWindows 7を搭載した新しいPCは購入しなかった企業は、Windows 7をすぐに実装する体制が整っていない場合、アップグレードライセンスにPC1台あたり120ドル〜200ドルを払うことになる。
  • Windows XPの延長サポートフェイズは2014年までとなっているが、サードパーティのアプリケーションサポートは通常、メインストリームサポートが終了後2年すると終わりを迎える。つまり、XPの「危険ゾーン」は2013年からということになる。
  • Windows 7のプランニングやテストを始めるのに、Windows 7 SP1のリリースを待つ必要はない。ほとんどの修正やアップデートは「Windows Update」「Automatic Update」経由でリリースされるからだ。SP1は基本的に、これらの修正をまとめたものといえる。Microsoft側は、Windows 7のSP1リリース計画について明らかにしていないが、Gartnerでは2010年半ばと予想しているようだ。
  • 最新のOSをテストして準備するのに要する時間は、12カ月〜18カ月とみておくべきだ。Windows 7は「優れたアイディア」があるため、この期間は多少縮小されるだろう。しかし、Windows 7のRTM(今年7月)から「成熟」までには、12カ月の期間があると考えておくべきだ。ここでいう成熟とは、ISVのサポートが揃うことだ。必要なトレーニングリソースがあり、「市場に専門知識が構築される」ことを意味する。

 Gartnerのアナリストは、ウェブキャスト中に参加者に対してオンラインアンケートを行った。それによると、回答者の59%がVistaをテストしたことはなく、スキップしているという。24%は、Vistaをテストしたが、スキップしたと回答した。Gartnerによると、Vistaを実装した企業は、実装しなかった企業よりも移行コストが大幅に下がるという。以下が、Gartnerの試算だ。


 Windows 7を実装する計画があるかどうかという質問に対しては、21%が「2010年前半に実装を計画している」と回答した。また「2010年後半」が30%で、「2011年前半」が23%だった。「2011年後半以降」は20%だった(「2009年中に実装する」は6%だった)。

 一般ユーザーと異なり、企業ユーザーは64ビットのWindowsの採用ペースが遅いようだ。64ビット版Windows 7の計画に関する質問では、34%が「32ビットのまま」と回答し、25%が「未定だが、32ビットを検討中」とした。「未定だが、64ビットを検討中」は28%で、「64ビットを採用する」とした企業は13%だった。Gartnerのアナリストは、64ビットはアドレス空間が大きく、物理RAMへのアクセスが改善されるが、ユーザーが受けられるメリットに「大きな変更はない」とした。また、セキュリティ、VPN、その他のアプリケーション/サービスがない可能性も示した。

 次のスライドは、Windows 7を検討している企業ユーザーに向けたGartnerの提言のまとめだ。


 Gartnerのガイダンスは大企業顧客の多くが重視しているもので、それなりの影響力がある。Windows 7に関するGartnerのアドバイスについて、皆さんはどう思いますか?

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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