「Windows 7の登場はデスクトップ仮想化が進むチャンス」--ヴイエムウェア - (page 2)

藤本京子(編集部)

2009-10-21 23:16

 こうして普及の波が進むデスクトップ仮想化だが、まだ一般的に幅広く利用されている技術とはいえない。Goldfein氏は、「サーバの仮想化技術が注目され始めたのが2000年ごろで、今は市場も大きくなった。デスクトップの仮想化技術はそれよりも遅い段階で注目され、普及もサーバより時間がかかる。ただし市場そのものはサーバ仮想化よりも大きくなるだろう」としている。

 普及に時間がかかる理由としてGoldfein氏は、まず十分なパフォーマンスが出るのかどうかユーザーが気にしている点を挙げる。しかしこれは「PCoIPが採用されることで解決できる」と話す。

 また、長い目で見るとコスト削減につながる仮想化も、「導入にあたっては、サーバ、ストレージ、シンクライアント端末、ソフトウェアのすべてを購入する必要があり、初期コストを考えると足踏みしてしまう企業が多い」とGoldfein氏。

 この点については、「まずサーバのコストは、どれだけの仮想マシンを1台のサーバに搭載できるかによって決まるが、最新のCPUとVMware vSphereにより搭載できる仮想マシンの数は大きく向上している。ストレージコストは、同時アクセスユーザー数などによって必要なストレージ容量が決まるが、ストレージパートナーがデスクトップ仮想化を念頭に置き、ユーザー間の重複が避けられるようなソリューションを用意した。また、シンクライアント端末はすでに価格が下がっており、通常のPCに比べエネルギーコストも削減できる。顧客によってはそれでも購入コストを先送りしたいというが、そういった顧客のためにシンクライアントパートナーは、既存PCをシンクライアントとして再利用できるソリューションを提供している。Windows 7を搭載するパワーのないPCでも、シンクライアントとしては再利用可能なはずだ」とGoldfein氏は説明する。

 ソフトウェアの価格については、View 4がリリース前のため「今は言えない」としながらも、こうした施策をすべて合わせると、「初期費用の障壁は打破できる」としている。

 普及にあたっての最後の障壁は、デスクトップ仮想化が複雑だと思われているためだ。Goldfein氏は、「デスクトップ仮想化の導入は、確かにエンドポイントを全部展開し直さなくてはならないし、ビジネスプロセスも新しく作り直す必要がある。ただし、実際には新しいOSを導入する時にもこのような作業は必ず発生するため、新しいOSへの移行を考えるのであればデスクトップ仮想化への移行も選択肢となるだろう」として、「Windows 7の登場はデスクトップ仮想化が進むチャンスだ」と述べた。

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