クレオ、「ZeeM 会計」のIFRS対応ロードマップを発表--対応推進室も設置

田中好伸(編集部)

2009-10-20 17:39

 クレオは10月20日、会計システム「ZeeM 会計」の国際会計基準(IFRS)対応ロードマップを発表した。2011年3月までに順次「コンバージェンス対応版」を、2011年12月に「アドプション対応版」をリリースする。

 現在、IFRS対応を巡っては2015年か2016年にも始まるとされている強制適用に注目が集まっているが、実際には2015年以前にIFRSへの“コンバージェンス(収斂)”が行われ、IFRSの“アドプション(適用)”へと会計基準が大きく変わっていく。その後の2015年か2016年に上場企業は、IFRSの強制適用を受けることになる。

 こうした状況を踏まえてクレオでは、ZeeM 会計のロードマップをコンバージェンス対応版とアドプション対応版、強制適用に対応する機能強化版という3段階で対応する計画を打ち出した。

 コンバージェンス対応版では、有形固定資産の除去にかかわる費用の計上基準となる「資産除去債務」とマネジメントアプローチを採用した「セグメント情報等の開示」に対応する機能を2010年3月に、財政状態の期間比較を行うための会計方針変更による「過年度遡及変更」に対応する機能は2011年3月に、それぞれリリースするとしている。

 2011年3月のアドプション対応版では、複数帳簿、財務諸表、期ずれなどに対応する各機能をリリースする。

 IFRSでは、税法などに対応するために日本基準との複数帳簿となる可能性が見込まれており、一つの取引から異なる会計基準の仕訳を生成、それぞれの財務諸表を作成することが必要になるものとされている。アドプション対応版では、こうしたことを踏まえて複数帳簿対応が盛り込まれている。

 またIFRSでは、これまでの貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)に加えて「財務状態計算書」と「包括利益計算書」が必要になる。アドプション対応版での財務諸表対応は、こうした状況に対応する機能だ。

 企業グループ内で決算期が異なることはよく見られるケースだが、IFRSでの連結財務諸表作成では、同一日付で作成する必要がある。こうした決算期のズレにも対応した機能が搭載される。

 またクレオでは、2012年1月以降にIFRSの基準変更や先行適用したユーザー企業からの要望を取り入れて、早ければ2015年4月以降にも始まるとされる強制適用に対応するために、それ以前に順次機能の強化を行う予定としている。

 同社では、IFRSに対応した具体的な対策を提供するために、「ZeeM IFRS対応推進室」を設置したことも、同日発表した。IFRS動向の見極め、対応策を講じるユーザー企業に向けて、IFRS適用を支援していくとしている。

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