USBメモリだけでプレゼン可能な「PCフリー」機能搭載機種も
一方、オフィス向けのEB-19シリーズは、4000lmを実現した多機能パワーモデル。WXGAで電動フォーカス機能などを搭載したEB-1925W(39万8000円)、WXGA対応のEB-1920W(35万8000円)、XGA対応で電動フォーカスに対応したEB-1915(35万8000円)、XGA対応のEB-1910(32万8000円)で構成され、いずれも約3.4〜3.5kgの軽量化と小型化を実現している。
USBケーブルで接続するだけで投写を開始するUSBディスプレイ機能や、使用後にはクールダウンが必要なく、電源オフボタンを押さずに電源コードを抜くことができるダイレクトシャットダウン機能などにより使い勝手を向上。ユーザーから改良の要望が強かった前面排気方式の採用や、10Wスピーカーの搭載、ネットワーク対応などを実現している。
EB-1925Wおよび1915では、ボタン1つで、タテヨコ台形歪み補正やフォーカス調整を行う「かんたんセットアップ」機能を搭載。HDMI端子接続によって、ハイビジョン映像の投射も可能とした。
「会議室に持ち運んで利用することを想定した製品であり、準備のしやすさ、使いやすさ、後かたづけのしやすさを実現している。かんたんセットアップ機能や、家電感覚で手軽に使えることを目指したUSBディスプレイ機能の搭載もこうした観点からの取り組み」(セイコーエプソン、映像機器事業部副事業部長の森山佳行氏)という。
モバイル向けとするEB-1724(市場想定価格14万円前後)は、約1.8kgというモバイル性を追求したプロジェクタ。
3000lmの明るさと、短焦点レンズによる狭い場所での投射を可能としたほか、USBディスプレイ機能や、USBメモリだけでプレゼンテーションを行える「PCフリー」機能などを搭載している。
森山氏は「現在、プロジェクタは中国で生産しており、今月から来月に向けて過去最高の生産台数になるだろう。各国での教育分野での導入が促進されており、政府の景気刺激策のひとつとして、プロジェクタを導入するという動きが出ている」とし、プロジェクタの需要が増加していることを示した。
「使用環境にマッチした製品を、顧客の利便性から考えて提案し、1社でも多くの企業に、エプソンの企業向けプロジェクタを活用していただきたい」(森山氏)
また、エプソン販売取締役の中野氏も、「講堂や大会議室向け大型プロジェクタの需要は国内で7000台程度と限定的だが、曲面や床などにも投射できるプロジェクタの強みを生かして、デジタルサイネージの市場にも展開していくことで新たな需要を創出したい。また5000lm以上の市場は台数構成比では4.3%にすぎないが、金額ベースでは14.0%となっており、この市場を開拓することがエプソンにとっても重要な課題になる」とした。