サーバ環境では、Windows Server 2008 R2とExchange Server 2010が用意されている。樋口氏は「マイクロソフトでは、これらを含めすべての製品を、クラウドコンピューティングを視野に入れて開発していく。クラウドを企業内のシステム環境であるオンプレミスとシームレスに連携させ、適切な運用ができるようにする。クライアントOSから、サーバ、クラウドを束ねるAzureまで、すべて開発環境は単一だ。我々は次世代環境に即したソフトウェア開発を推進していきたい。そこからニューエコノミーに応じた製品が生まれ、抜本的なコスト削減ができ、仕事の革新が実現する」と語り、これから先、IT利用環境をクラウドに移行しやすくするための基盤をマイクロソフトが着々と整えていることを示した。

Kelly氏は、Windows Server 2008 R2の特徴を解説、「データセンターが大きく変化している。これまではコストが高かったが、仮想化技術の普及で、サーバは統合されるようになった。とはいえ、まだ全体の20%しか統合が進んでいない。今後統合がさらに進めば、プライベートクラウドやパブリッククラウドへと進化するだろう。マイクロソフトは、物理環境から仮想化、クラウドまですべてのインフラを網羅する、単一で整合性あるプラットフォームを提供する。ユーザーは、そこから最適な要素を選べる。選択権は皆さんにある」と述べた。

Windows Server 2008 R2には、業務を継続したままひとつの物理サーバから別の物理サーバに移行できる「Live Migration」機能や、消費電力を大きく削減できる機能があり「Windows Server 2008 R2はWindows Server 2003と比べ消費電力が18%低減した」(Kelly氏)という。Kelly氏は「Windows Server 2008 R2の対応ハードウェア数は166、対応アプリケーション数は666、認定エンジニア数は4955にのぼるなど、過去最高の対応状況だ。省電力化が進化し、サーバ管理機能は自動化されるなど、コスト効率性の高いOSとなっており、少ないリソースで大きな仕事ができる」としている。
Capossela氏は、Exchange Server 2010を紹介。ビジネス生産性の向上には、安全性と同時に、場所や機器を問わない交信ができるユニファイドコミュニケーションの重要性を説き、「Exchange Server 2010は、信頼性、柔軟性、可用性を向上させた。メールボックスデータベースの技術革新により、Exchange Server 2007と比較して1秒あたりの入力と出力を大きく減少させた。ストレージの対応も多彩で、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)からDAS(直接接続型ストレージ)まで使うことができる。さらに電子メールの保護にも注力している。Exchange Server 2010は、ユニファイドコミュニケーションが実現できる製品だ」とした。