NECの最新技術、製品、事例などを広く紹介する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」が11月5日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで開幕した。今年のテーマは「明日を創るイノベーション〜人と地球にやさしい情報社会を目指して〜」。
初日の基調講演にはNEC代表取締役 執行役員社長の矢野薫氏が登壇、イベントのテーマを表題に、未来を見据えたNECの戦略と、企業や日本の将来像にまで言及した。
「現在は明治維新と敗戦時に次ぐ変革期」と矢野社長
この1年、米国の金融危機に端を発した経済不況が世界中に波及するなか、新興国の存在感が増すとともに、環境とエネルギー対策の重要性が高まるなど、激しい変化が起きている。
矢野氏はこれを踏まえ、「日本にとっても明治維新と敗戦時に次ぐほど、100年に1度の大きな変革期」と述べ、これに対処するためには「スピードと柔軟性が必要であり、企業は社会の抱える課題に積極的に取り組むべきで、それにはイノベーションが求められる」と話す。
一方、いま、企業が直面している課題は、以下のようなものがあげられる。
- グローバル化する競争の激化
- 社会的責任をいかにして果たすか
- 情報システム部門の洗練化と効率化
特に「情報システム部門の役割はいままで以上に重くなる。経営戦略と一体になったIT戦略が必要」になると矢野氏はいう。
事業構造、業務プロセス、ITシステム--NECはどう改革したか?
課題解決に向けたキーワードとして、矢野氏はまず「業務プロセスの改革」を挙げる。これには、シンプル化、グローバルおよび企業グループ内での統一化や標準化、情報の一元化、見える化が軸となる。このような改革を支えるのはITだ。