「京都議定書では2008〜2012年の日本の目標値は6%減だったが、今のところ逆に9%くらい増加してしまった。オフィスビルや家庭からの排出量が大幅に増えたからだが、工場では相当減らしている。この問題での日本の課題は、オフィスや家庭からの排出量減だ」(矢野氏)
オフィス環境からの二酸化炭素排出量を低減化するため、同社は次のような策を打ち出している。
オフィスで使用されるPCをシンクライアント化し、クライアントPC側の処理を集約する。従来、バックエンドでは多数のシステムが個別に稼動していたが、これもクラウド環境で束ねる――ここでも中核となるのはクラウドだ。
これらの施策により「排出量は約60%減らすことができる」(矢野氏)と、同社では考えている。また、社会全体のグリーン化ではITとネットワークでエネルギーの見える化や制御を進めるほか、電池技術を活用する。
さらに同社では「持続可能な社会」の構築を図り、医療分野、交通分野でもITやネットワーク技術で貢献していく意向だ。
矢野氏は、「企業は社会の要請を正面から受け止めるべきだ。ただ、さまざまな課題に一つの企業だけで対処していくことが難しい。みんながつながることで、解決に向かうことが可能になる。クラウドはそのための有効なツールになるだろう。人と地球にやさしい情報社会をつくるために、C&Cが役に立つ」と述べ、「明日を創るイノベーション」の強化にいっそう注力していく姿勢を明確に示した。