Goldman SachsがIT支出に関する調査結果を発表した。2010年に向けて技術に対する支出は回復の傾向にあると予測されるという。全体的には、データは支出が飛躍的に増加することを示すものではないが、縮小傾向にあったここ数カ月とは異なり、景気後退前の成長率に復調しているという。
Goldmanは、2010年の支出について慎重ながらも楽観的な予測を示し、より多くの企業支出を牽引するマクロ経済環境に大きく依存すると述べた。また、ほどんどの分野において、負のスパイラルに陥った2009年とは打って変わって、成長が見込まれるのに対し、オフショア開発などのようにかなりの縮小が予測される分野もある。
しかし、全体的な見通しは明るく、IT支出が絶望的なスパイラルにあった2008年11月のGoldmanのレポートとはかなり異なるものとなっている。1年でこれだけ差が出るものかと思うほどだ。
同レポートの主な内容を以下に挙げる。
- 景気後退期の購買サイクルから抜け出したことは明らかであるため、残る問題は2010年における回復の速度である。
- 特に最高情報責任者(CIO)らが、仮想化やクラウドコンピューティングといった新しい技術を検討し始めるため、インフラ、アプリケーション開発、およびシステム統合が引き続き、最大の支出分野となる。
- 買い控えによって累積した需要が、特にハードウェアにおいて顕著である。ストレージやサーバ、PCの買い替えに対する積極的な姿勢が見られる。
- オフショアサービスに対する需要は、現在のレベルを下回ると思われる。
- HP、NetApp、CommVault、Red Hat、Riverbed、Salesforce.comが、Goldmanの最新調査において特に顕著な成長傾向を示した企業である。
ソフトウェアでは、Red HatおよびSalesforce.comが堅調な業績を示し、VMwareやCitrixも依然好調である。Goldmanはこれを、社内および社外のクラウド展開の勢いが加速していることを示すよい兆しであると考えている。
デスクトップでは、Microsoftの「Windows 7」がCIOらの関心をとらえており、調査に回答したCIOの94%が、Windows 7へのアップグレードの意向を示し、「買い控えによって累積した需要とハードウェアの更新によって、Windows 7の堅調な売り上げが期待される」というGoldmanの考えを裏付けている。
そのほかに興味深かったのは、予算が縮小するなか、シェアを増やした企業に関する調査結果である。
PCとラップトップの分野でシェアが増加した企業 | |
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エンタープライズサーバ | |
シェア増加
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シェア減少
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ストレージ | |
シェア上昇
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シェア減少
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ソフトウェアとセキュリティ | |
シェア上昇
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シェア減少
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ