住商情報システム(SCS)は11月26日、自社データセンター「netXDC」でSAP製アプリケーションを稼働させるインフラ環境をオンデマンドで提供するサービスを開始したことを発表した。サーバやストレージ、ネットワークで構成されるインフラを仮想化して提供する。
SAP製アプリケーションのユーザー企業は、今回のサービスを利用することでIT資産の削減や構築期間の短縮、バージョンアップ作業での柔軟性向上、低コストでの災害復旧(DR)サイトの構築ができるようになり、総所有コスト(TCO)削減とSAP製アプリケーションのより高度な利用が同時に実現できるとしている。
今回のサービスは、SAP製アプリケーションを活用しているユーザー企業向けに、netXDCの仮想サーバ上に稼働環境とDR環境を提供する。仮想サーバ環境の導入や移行、運用も支援する。
稼働環境のサービスでは、SAPアプリケーション用の仮想サーバをサービスとして利用することで、ユーザー企業はハードウェアを用意せずに、構築コストやインフラ保有コストを削減できるとしている。開発環境やテスト環境、移行のための検証環境、バージョンアップ作業に必要なステップごとの環境として、今回のサービスを利用することで、開発や検証、バージョンアップの作業効率向上、準備期間短縮を実現できるとしている。
DRサイト環境のサービスでは、仮想OSに最適なCPUや統合ネットワーク、DR制御、仮想ストレージなどにSCS独自の運用ノウハウを加えて、DRサイトを低コストで構築するというもの。仮想化技術を活用することで、DRサイトに切り替えるフェールオーバ、本番サイトに切り戻すフェールバックのそれぞれの作業を単純化、高いレベルの目標復旧ポイント(RPO)と目標復旧時間(RTO)が実現できるとしている。
開発環境向けの最小構成は、仮想CPUが2つ、メモリ4Gバイト、ハードディスク(HDD)200Gバイトで、月額の税別利用料金は20万円から。日次でのフルバックアップとサーバOSの死活監視を利用できる。環境の規模とスペックによって異なるが、最短5営業日で環境を準備できるとしている。
月額の利用料金とは別に、別途初期費用がかかる。本番環境から移行する場合は個別見積もり。DRサイト環境も、システムの規模によって異なるため、料金は個別見積もりになる。
今回のサービスには、ヴイエムウェアが提供する「VMware High Availability」や「VMware Vmotion」、「VMware vCenter Site Recovery Manager」などの仮想化関連技術、シスコシステムズのスイッチ「Cisco Nexus 5000」と「Cisco Nexus 2000」、ネットアップのストレージ「NetApp FAS」シリーズが活用されている。