人事部がタレントを見極められるよう、情報を1つのデータベースにすべて集め、一元化された情報を使いたい人に提供する。プロファイルデータが入力された時点ではまだ「点」だが、業績とのギャップを埋めるアクションにつなげたり、あるいは目標を達成している人に、より能力を高める研修を実施したり、よりやりがいのある職務を与える、といったアクションにつなげる。これが「点から線に結びつける」ということだ。
また、評価についても、評価軸を現場で任意に決めるのではなく、バランススコアカードのような経営(人件費や売上状況など)の視点から、会社の方向性に合った目標管理を行う必要がある。こうしたデータは以前から、企業のシステムのどこかに存在したが、バラバラであったため線としてつながりにくかった。
日本オラクル、アプリケーション事業統括部HCM本部担当シニアマネージャーである安井清一郎氏は「そうしたバラバラの点を1つのシステムで統合し、すべての点を線にするのがオラクルの人事システムの役目」だと説明する。
前向きな会話で納得感ある評価にする
こうしたレーティングを示しながら、マネージャーと部下が会話をして、次の打ち手を考える。どのような評価基準で自分の評価が決まったのか。それを明らかにしながら会話を進める。こうした仕組みを使うことによって、前向きなコミュニケーションができるだろう。
評価の取り方についても、「期初に目標設定、期末に集計」し、本人へのフィードバックは行われない企業が少なくない。これでは、部の成績は理解できても、自分の能力が高まったのかどうか、本人が把握できない。本人の評価シートと評価者の評価シートがまったく異なっており、それらがバラバラに管理されている状態では、うまく人材を育成できない。