「Silverlight」は複数プラットフォーム対応を維持できる(する)のか?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子 2009年11月27日 13時50分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Microsoftが11月19日まで開催した「Professional Developers Conference(PDC)」で明らかになったように、「Silverlight」には多数の特徴や機能が加わる計画だ。

 これにより、「Windows Presentation Foundation(WPF)」を使ってWindowsアプリケーションを構築すべきか、Silverlightアプリケーションを構築すべきか決めかねていた開発者は、やっと出口が見えたことだろう。MicrosoftはWPFの機能をSilverlightに、Silverlightの機能をWPFに加えていく計画を明らかにした。だが、ITジャーナリスト/ブロガーのTim Anderson氏が指摘しているように、この戦略には欠点もある。COMサポートなどの機能をSilverlightに加えることで、Windows、Mac、それに--NovellのMono開発チームの「Moonlight」経由で--Linuxに等しく対応するクロスプラットフォームのブラウザプラグインというSilverlightの魅力が損なわれるのではないかという点だ。

 (この辺りのリスクについては、The RegisterのGavin Clarke氏とのポッドキャスト「Microbite」でも触れている。)

 Microsoftが2010年半ばに出荷を予定している「Silverlight 4」で計画しているCOMオブジェクトのサポートは、Windows上の「Firefox」「Internet Explorer」のみに適用できる。Mac OS XとLinuxは、COMをサポートしていない。

 Microsoftの代表者は、COMコンポーネントへのアクセスを追加することは顧客の要求を受けてのことであって、Microsoftが単独で決定したのではないと説明している。Silverlightを各プラットフォーム上で同じものに維持する計画についてMicrosoftに聞いたところ、以下のような回答をもらった。

Silverlight 4では、8000以上の顧客の機能要求に応えます。COMコンポーネントへのアクセスはその1つで、「Microsoft Office」の自動化などのエンタープライズ共通のシナリオを可能にし、開発者はスキャナやセキュリティカード読み取り機などのハードウェア機能に容易にアクセスできるようになります。

 注意すべきは次の部分だ--Microsoftは、同じようなCOMコンポーネントへのアクセスをMac版のSilverlightにどのように加えるかを評価しているという。上の回答をくれたMicrosoftの代表者は、以下のように記している。

残念ながら、MacはCOMインターフェースをサポートしていません。Microsoftは、COMのような機能をMacに加える方法を積極的に評価しているところです。

 Mac版のSilverlightのCOMサポートについて、これ以上の情報は得られなかった。

 一方、Novellの開発者プラットフォーム担当バイスプレジデント、Miguel de Icaza氏はMoonlightで今後、Silverlight 4の新機能をサポートしようと意欲を見せている。PDCの後、de Icaza氏はブログで以下のように報告している。

Moonlight開発チームには、Silverlight 3と4の機能を取り込むための作業がたくさんある。Monoチーム全体を代表して、これはエキサイティング、魅力的、やりがいのあることだ、と言ってもよいと思う。エネルギー飲料を飲んだ気分だ。

 Microsoftが明らかにしたSilverlight 4の方向性について、de Icaza氏は、これはSilverlightがMicrosoftの.NETの中核であるCommon Language Runtime(CLR)向けのユニバーサルランタイムへと進化することを意味する、と見ている。Silverlightデスクトップスイートを開発することは、もはや遠い夢ではなく、現実に可能なプロジェクトになる、とde Icaza氏は続けている。

 開発者の中には、Silverlight OSの可能性を議論する人もいるようだ(わたしにはどうも、Windowsチームがこのような取り組みを頓挫させるような気がするのだが)。だが、Microsoftにはこれよりも切羽詰った重要な懸念がある--Silverlightを当初の「どこでも利用できる」というメッセージ通りに提供するのであれば、Microsoftはプラットフォームを問わずに同じ機能を提供する必要があるという点だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
経営

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算