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バズワードに動じない「JAポイントシステム」に見たクラウドコンピューティングの本質 - (page 2)

柴田克己(編集部)

2009-11-29 17:11

 JAポイントシステムは、それまで、一部事業で実施していた「事業別個別優遇制度」を、グループ全体での総合ポイント制に集約、一元化することを目的として構築が始められた。この制度が導入されることで、組合員になることのメリットが明確化され、加入が促進されると考えられるほか、JA各事業の利用拡大にも寄与する。また、ポイントシステムに関する業務を中央に一括してアウトソースすることにより、各事業の県段階連合では、短期間かつ安価なポイントシステムの導入が可能になる。システムの運用管理や機能改善についても、JAグループによる全国レベルでの対応が行われる点でメリットは大きい。

 冒頭で佐藤氏は「システム自体の難易度は高くない」と述べているが、これはある意味控えめな自己評価というべきだろう。なぜなら、「個別に戦略があり、個別に情報システムが運営されている」すべてのグループ企業から、一部の業務(今回の場合はポイントシステム)を一括して受け入れるための仕組み作りには、相当な手間と調整能力が必要になるはずだからだ。

 JAポイントシステムの構築にあたっては、各県で個別に蓄積される取引データをすべて集約し、中央のシステムでポイントに変換して、ふたたび各県のシステムへと戻す必要がある。さらにリアルタイム性を実現するためには各販売店のPOS端末、KIOSK端末との連係も必要だ。

 システムを構成するにあたっては、そうした各拠点や端末と、中央のポイントシステムとのデータ連係部分を、どれだけ効率的に作り上げるかが重要だったと佐藤氏は振り返る。

各システムからポイントシステムへの連動 JAポイントシステムの構築にあたっては、各事業体、各県で個別に管理されているデータを中央のデータと効率的に連係させる仕組みが重要だった(画像クリックで拡大表示)

 また、ポイント換算の仕組みを実現するにあたっては、高い柔軟性が必要とされた。

 ポイント計算の仕組みは、各事業体の戦略によって異なる。戦略が変われば、変換率も変わる。さらに、会員の属性や資格などによって、さまざまな還元率が存在する。ポイント還元の仕組みも、定期的に行われるものと、会員によってオンラインで行われる任意のものがある。

 その点で、全事業体でそれぞれの戦略に沿ったポイント設定が行え、かつ、それを統合管理できる汎用性の高さが求められた。佐藤氏は「フレキシビリティに加え、今後の拡張性を確保するためのデータ設計に苦心した」とする。

明確な統一インターフェースを定義

 JAにおいて、総合ポイント制度の導入が検討され始めたのは、2006年10月の全国大会での決議に端を発する。その翌年、2007年8月からモデル県となる3県で要件定義を開始。2008年4月に、そこで作成された原案を全国説明会で提示して、8月の全国大会で、最終的な要件が確定した。本格的な開発は、そこからのスタートだ。

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