総合不動産投資サービス大手のケネディクスは文書管理ソフトウェア「Xythos」を導入した。電通国際情報サービス(ISID)が12月3日に発表した。
ケネディクスは、投資家から委託を受けて取得した資産の運用、運営、管理する「アセットマネジメント」が主な業務であり、同社グループの不動産物件残高は9000億円を超えている(9月末現在)。そうした業務では、投資家や会計事務所など社外関係者と関連文書のやり取りが頻繁に行われ、1ファンドあたり1000ファイル以上になるという。従来はメールや外部のファイル共有サービス、バイク便を併用して文書をやり取りしていた。
Xythosは、米Xythos Softwareが開発する、ウェブ上で安全に文書やファイルを管理するサーバソフトウェア。日本国内ではISIDが販売している。ユーザーはネットにアクセスできる環境であれば利用可能で、社内共有に加えて、社外とも企業のネットワークセキュリティを損なわずにファイルを共有できる。
Xythos導入を決定したのは、アクセスログの自動取得やファイルの版管理機能を搭載しているからだとしている。この機能に加えてワークフローを活用することで承認履歴や承認文書を保管できるようになる。また、社内サーバに導入する形態であることから、リソース拡張が容易であることも導入の決め手となっている。アクセス権の一括登録もできることで設定変更作業がしやすい。
Xythosはフォルダごとにアクセス権限が設定可能であることで、すべての社外関係者とファイル共有が可能になっていることも決め手になっている。加えて、ウェブブラウザから利用するので、エンドユーザーに教育するなどの負荷もかからないことも理由となっている。
Xythosを導入したことでケネディクスでは、社外との文書授受のアクセスコントロールや証跡管理ができ、内部統制に対応する要件を十分に満たせるようになっているとしている。また、データ容量の拡張がしやすいことから、アクセス権限設定作業の業務負荷が軽減、新規ファンド追加や人事異動時でも迅速な対応が可能になっているという。
すべての社外関係者とのファイル共有が可能になったことで、メールやバイク便を使うことがなくなっている。これで業務の効率化や運用コストの削減ができるようになっているという。ファンド単位での月次決算処理に必要な書類準備にかかる日数が半減、決算業務の迅速化にもつながっているとしている。
こうしたメリットからケネディクスでは、社外の文書授受に加えて、Windowsで運用管理していた社内ファイルサーバもXythosに移行している。社内の重要文書でもアクセスログや承認履歴の管理ができることで、内部統制強化と業務効率化が実現できたとしている。
以前の状況では、内部統制対応の観点からアクセスログや承認履歴が確実に管理できる仕組みの構築が課題となっていた。また、従来利用していたファイル共有サービスは、ユーザー数やデータ容量、アクセス権限の設定方式などに制限があって利用できるユーザーが限定され、情報共有ツールとしての要件を満たしていなかったという。
運用面でもアクセス権限の設定作業をユーザーごとに行う必要があるため、新規のファンド組成による社外の情報共有者の増加や人事異動による設定変更などの度にシステム運用管理者に運用管理負荷がかかっていた。加えて、メールやバイク便を併用することで、処理コストとリードタイムが発生することから、業務の効率化が課題となっていた。