多くのIT部門にとって、年末は普段ほど仕事が忙しくない時期にあたる。このため年末は、必須でありながらもしばしば後回しにしてきた作業に取り組むための最適な時期になるわけである。
年末。遅めに出社し、2杯目のコーヒーをゆっくりと味わい、ヘルプデスクでゆったりとした時間を過ごすことのできる時期がやっと巡ってきた。休日がたくさんあり、従業員も休日を多めに取り、年末に業務が停止するこの時期、IT部門はやっと一息つくことができる。そうだろう?
この問いに対する答えはあなたもわかっているはずだ。
大半の従業員が休んでいるこの時期こそ、ちょっとした業務を片付ける最高の機会となる。そこで本記事では、システムやデータの適切な保守、管理を行い続けるうえで、すべての中小企業のIT部門が年末に実践すべきベストプラクティスを10個紹介する。
#1:バックアップを復元し、日々の運用が適正であることを確認する
もちろん、バックアップは日々の運用として行われているはずだ。しかし、そういったバックアップは正常に終了しているのだろうか?また、バックアップが保存されるメディアは信頼できるものだろうか?よく引用されるGartnerの調査結果では、テープからの復旧作業の失敗率は71%にも上るという。適切なデータがバックアップされており、バックアップメディアからのデータ復元が正常に行えることを確認するために、バックアップを使用した復旧のテストを行ってみるべきだろう。
#2:ディスクイメージの一覧とその状態をチェックする
あなたの企業がディスクイメージを使用してワークステーションやサーバを配備している、あるいはディスクイメージをバックアップとして利用しているという場合、そういったディスクイメージが最新の状態となっていることを確認しておくべきである。そのディスクイメージを、仕事で使用していないシステムに展開してみることで、適切な配備や復旧が行える状態になっているかどうかを確認し、必要であれば過去に追加されたハードウェアやソフトウェアアプリケーションを設定に反映させることができる。
#3:サーバやPCの本体を清掃する
物理的な設置環境にもよるが、ノートPCやデスクトップPC、サーバには、塵や埃、汚れが付着するものである。筆者は、適切なサーバルームを構築するだけの資金的な余裕がない製造加工企業のサポートに従事していたことがある。その企業では、本体を開けてみたところ基盤に金属物質が堆積しており、回路がショートする可能性も十分にあった。
本体を開け、吸気口や排気口、CPUファン、ヒートシンクといったところに付着している塵や埃を取り除く。なお、清掃用のエアスプレー缶を使うと、塵や埃がファンやヒートシンクといったコンポーネントの奥に入り込んでしまうため、精密機器用の掃除機を使用するようにすべきである。