#4:エンタープライズにおける存在感
Linuxは、さまざまな観点から見ても小規模企業やエンタープライズでの利用に適している。デスクトップとして利用するか、サーバとして利用するかにかかわらず、Linuxによって従業員の作業効率を向上させることができるわけである。しかし、そういった作業効率の向上は実際のところ、何らかの変革を行って初めて成し得ることであり、それなくしては成し得ないことなのである。ここで言う変革の内容が何であるか、筆者は確たる答えを持っていない。しかしほとんどの場合、業務現場における変革が必要となると考えている--そして、そういった変革は起こらないということも周知の事実である。とは言うものの、Linuxがエンタープライズ分野においてWindowsと同様の存在感を持つことができれば、IT分野全体(企業での使用から家庭での使用まで)の状況が一変することになるはずだ。
#5:ワークグループ設定
筆者はSambaを比較的短時間のうちに設定できるものの、それはLinuxを長年使用してきたためである。平均的なユーザーであれば、こういった設定に手こずるはずだ。一方、Windowsの場合、Windowsマシンをワークグループに追加する作業は簡単である。Linuxにおいても、設定をほとんど行うことなく(特に、smb.confを編集することなく)Windowsマシンと連携することができるユーザーフレンドリーな機能が必要なのである。
#6:タッチスクリーン
Windows 7において必ず実現すべきことの1つに、タッチスクリーンサポートの改善というものがあった。Linuxでも、特定のものに限られるがタッチスクリーンはサポートされている(#2を参照)。しかし、たいていの場合はユーザーによるxorg.confファイルの編集が必要となる。また、現在のX11はxorg.confの設定を使用せずに動作するようになっているため、作業はさらに難しいものとなっている。筆者はタッチスクリーンのファンではないものの、タックスクリーン式のコンピュータが将来当たり前のように使われる可能性もある。タッチスクリーンは、iPhoneでも大歓迎されているのだから、デスクトップPCでも使えて当然なのではないだろうか?その場合、Linuxは今後のバージョンにおいて、Windowsで提供されているようなサポートを組み込む方が良いだろう。