マイクロソフトのウェブブラウザバンドルに関する戦いは(ひとまず)終了

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子 2009年12月17日 16時44分

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 Microsoftは約10年前、米司法省の独占禁止法当局と「Internet Explorer(IE)」はWindowsの一部かどうかで争っていた。欧州連合(EU)とも同じ問題で争っていたMicrosoftは今回、この議論を終わらせた--だが今回は米国の時とは違って、戦うのではなく和解を選んだ。

 欧州委員会(EC)は現地時間12月16日、Opera Software対Microsoftの訴訟におけるMicrosoftの譲歩を認めることを発表した。Windowsユーザーにウェブブラウザを選択できる“選択画面”を提供することで、Microsoftは制裁金をはじめ、ECが課す是正措置を回避した。この結果、「Windows XP」「Windows Vista」「Windows 7」を利用する欧州のPCユーザーには、IEを含め合計12のウェブブラウザを表示する選択画面が提供されることになる(選択画面ではトップ5のIE、「Firefox」「Safari」「Chrome」「Opera」は、残りの7つである「AOL」「Maxthon」「K-Meleon」「Flock」「Avant Browser」「Sleipnir」「Slim Browser」より目立つように配置されることになる)。

 Microsoftは同日、ウェブブラウザのコミットに関する声明文とドキュメンテーションを発表している。文中、Microsoftは「Windows」「Windows Server」「SharePoint」「Exchange」とサードパーティー製品の相互運用性を容易にする--ECが調査しているもう1つの分野だ--ための提案も行っている。

 Mozilla Foundationの会長Mitchell Baker氏が掲載した同日付けのブログによると、MicrosoftはユーザーをIEにリダイレクトすることで他のウェブブラウザを利用しないようにする可能性のあるポップアップウィンドウも排除するようだ。Mozillaは、Microsoftが選択画面でトップ5のウェブブラウザをベンダーのアルファベット順に表示している点にも反対していたこれが正式な和解でどのように取り扱われることになったのかは不明だ。アップデート:どうやらこの意見は取り入れられ、選択画面ではウェブブラウザの配置がランダムに変わるようだ。最終形の選択画面は以下のようなものだ。


 Microsoftは当初、ブラウザ選択画面に強く抵抗していた--実際、IEをバンドルしない新しい「Windows 7」SKUを作成する段階まで来ていたのだ。幸いなことに、Microsoft社内のだれかがどこかで、この構想が進んでしまう前にブレーキをかけてくれた。Microsoftは、コスト高でWindows 7の評判に傷をつけるような退屈な戦いをする必要はない。戦いに慣れている同社の幹部にとっては難しい決断だったはずだが、今回は戦わないことを選んだ。

 このブログの読者の多くは、選択画面案を批判していた--消費者はウェブブラウザはIE以外に選択肢があり、ウェブからダウンロードできることを知っているはずだ、と。だが、以前にも書いたように、ハイテク通のあなた方は知っていても、多くの平均的な消費者は知らないのだ。IEがウェブブラウザであるということすら知らず、他にも選択肢があること、どのベンダーが選択肢を提供しているのかを知らない消費者は多いのだ。だから、わたしは選択画面案が浮上したときから、この案が気に入っていた。このような選択画面は競争を促進する。Microsoftは自社の地位と成功に甘んじて気が向いたらIEを強化するのではなく、各社とともにより良いウェブブラウザを提供することにつながる。

 これで、Microsoftのウェブブラウザバンドル問題は10年越しで終わった。Microsoftのウェブブラウザバンドルについて、背後の煽動役であるGoogleあたりが新しい訴訟を開始したとしても、驚きではない。とはいっても、Googleの場合、自社ウェブブラウザのChromeを自社OS「Chrome OS」にバンドルしていることを考えると、訴訟はかなり薄弱なものとなりそうだが……。

 わたしがMicrosoftの最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏なら、この10年間は、IEバンドルは法的リスクを犯しても続行する価値があるかどうかを再考する年月となっただろう。そして、欧州だけではなく、世界のWindows PCで選択画面をデフォルトで提供する気になったはずだ。もちろん、IEをWindowsから引き離すことは、IEの全体のシェアが減少(複数のデータによると、欧州でのIEシェアは62%あたりとのことだ)していることを考慮するとリスクを伴う戦略だ。開発者も、IEはWebKitベースではないし、新しいウェブ標準もサポートしていないことから、IEを拒否しているのだ。

 だが、MicrosoftがもしIEは最も高速で最も安全なウェブブラウザと思うのであれば、ユーザーに真の意味での選択を与えてもよいはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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