巨大ベンダーひしめくBI市場で独立系の策は?:競合しながらもパートナーへ - (page 4)

大川淳

2009-12-30 12:24

 リッチモンド市は、かつて犯罪が多発し、住みたくない町の上位5位に入るほどだった。そこで市庁は凶悪犯罪を減らそうという戦略を立てた。まず、いつ、どこで、どのような犯罪が起きているかを分析した。月単位、日単位で調べ、何月のいつごろ、あるいは何曜日、どんな天候のときに、どこで、どんな犯罪が起きているかを分析し、それらのデータを地図上に表示した。

 これらをデータベース化し、市内のどの地域で、8時間以内にこんな犯罪が起きるのでは?という予測を可能にしたのだ。

 BIのメニューからドリルダウンで、ある区域での犯罪発生の可能性が示されるようになった。この予測情報を元に、犯罪が予想される時期と地域に、警官を多数配備するというような対策を実行することが可能になった。BIの使用開始から3年で各凶悪犯罪は10%以上減少し、今や住みたくない町の上位40位から脱却するまでになった。

今後、BI事業をどのように拡大させていくのか?

 当社の事業はこれまでは、大手企業向けが主流だったのだが、最近では新規顧客の4分の3が中堅中小企業だ。彼らはクラウドコンピューティングに興味を持っている。その理由は、BIをはじめとるする業務アプリケーションを比較的少ない投資で利用できるからだ。

 中堅中小企業は重要なデータの分析を表計算ソフトに委ねている例も少なくない。これは1つの課題になってきているようであり、中堅中小企業向け市場にはビジネスチャンスがあるとみている。

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