#3:他のユーザーによる該当製品の採用はどの程度うまくいっているか?
オープンソースプロジェクトの評価項目には、さまざまなユーザーや組織による該当製品の採用がどの程度うまくいっているのかというものがある。成熟したオープンソースプロジェクトの多くは、その製品を採用し、使用しているさまざまなユーザーを紹介している。そういった事例を知ることで、特にそれが自社とよく似た状況のユーザーである場合に、製品が期待通りの性能を発揮できるという安心を得ることができる。
製品の実態を最もよく知ることができるのはおそらく、その製品をある程度使っている他のユーザーを通じてだろう。優れたプロジェクトには、専用のメーリングリストを持つ豊かなユーザーコミュニティーが存在しているため、製品の実態に関する第3者の意見に触れることができるはずだ。
#4:必要に応じて保証や商用サポートを得ることができるか?
オープンソースプロジェクトのライセンスすべてでは、製品が無保証かつ「そのまま」の状態で無償提供される。企業はそのニーズに応じてある程度までのサポートを自社で行いつつ、それ以外はコミュニティーの有志によるサポートに頼ることができる。有志によるサポートに商用のSLAと同等の水準を期待することはできないものの、その存在はたいていの場合において、該当製品に投資するうえでの自信につなげることができるはずだ。ただし、期待できるのはそこまでである。
ほとんどの企業は商用サポートや保証のコストをできる限り低く抑えたいと考えており、成熟したコミュニティーには、ある程度のサービスレベルを提供できるベンダーも参加している。理想的なオープンソースプロジェクトでは、複数のベンダーが該当製品にかかわっており、カスタマイズから保守、年中無休の24時間体制による製品サポートにいたるまで、さまざまなタイプのサポートが提供されている。
#5:どのような品質保証プロセスが使用されているのか?
一般的なオープンソースプロジェクトの多くは、ミッションクリティカルな環境をサポートするだけの成熟度と安定性を達成しているものの、安定性が十分な水準に達していないものもまだ多いのが実状である。もちろんのことながら、求められる安定性というものはその製品をどういった条件のもとで使用するかによって異なってくる。
自社のニーズがどのようなものであれ、検討中のオープンソースプロジェクトがどのような品質保証(QA:Quality Assurance)プロセスを経てリリースされるのかを確認しておくべきである。QAプロセスがあなたの企業の期待水準を満たしていないのであれば、不足しているQAプロセスを社内で実施する、あるいは適切なベンダーに実施を依頼するためのコストも検討しておくべきである。