アドビ システムズは1月6日、大学理工学部の研究者を対象とした研究発表資料作成支援サイト「POWER OF SCIENCE PRESENTATION」を開設した。
同サイトは、研究者が研究内容を、スポンサーとなる日本や海外の企業、政府官公庁、研究機関に効果的に伝える方法を、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどの同社のデザインツールを活用した事例などを交えて提案するウェブサイト。同社が日本では2007年12月より運営している高等教育機関の教員向けコミュニティサイト「Adobe Japan Ecucation Vanguards」の一部となっている。
POWER OF SCIENCE PRESENTATIONでは、予算の制約で発表資料を内製している研究室や研究者が利用可能なテンプレートなどのコンテンツを提供するほか、実際の発表資料改善事例を蓄積および公開し、改善前と改善後を見比べながら資料改善の参考にできる仕組みを提供するという。
また、サービスビューローの東京リスマチックと共同で、印刷物や発表資料の高品質な製作をサポートしていくほか、今後は、アプリケーションの簡易プロトタイプの作成や、印刷物、ウェブ、映像など、さまざまなメディアの特性を考慮した研究発表の方法を紹介していく予定としている。
同サイト設立の経緯について、同社では、政府による行政刷新会議の事業仕分けに絡み、科学技術予算の削減をめぐる議論が活発化している点を指摘。大学理工学部の研究者、博士号取得者にとって共同研究費や受託研究費の確保は危急の課題となっており、研究内容とその価値を外部に理解してもらうためのコミュニケーションスキル向上が求められているとしている。同社では、このサイトを通じて、大学理工学部の継続的な科学研究を支援していくほか、電子ドキュメント、画像、イラスト、ウェブ、ビデオにおけるデザインツールとサービスの提供を通じ、大学機関の研究活動を支援していくとしている。