また、同社の常務執行役員、アライアンス&サービス統括本部長の保科実氏は、「Force.comプラットフォームの可能性と優位性」をテーマに、新たなパートナープログラムの具体的な内容について説明した。

保科氏は、「クラウドビジネスにおいては、完全にマルチテナンシーに対応したプラットフォームの開発が重要であり、セールスフォースは10年間に渡って、これを構築してきた。そこが、最大のコアコンピタンスになる」とし、「こうした高度なプラットフォームの開発や、セキュリティをはじめとするインフラ部分への多大な投資といった、クラウド事業参入における課題を解決できるのがセールスフォースである。特に、エンタープライズユーザーが、ビジネスアプリケーションを開発するという点では、グーグルやアマゾンなどのクラウドサービスと比べて圧倒的な強みがある。セールスフォースは、ビジネスアプリケーションの素早い作成にフォーカスしたものであり、豊富な標準サービスを提供できる」とした。
保科氏によれば、新たなOEMパートナープログラムでは、教育プログラムを半額にする特別ディスカウント、OEM開発パートナー専用の開発環境の無償提供、開発者向けサポートメニューの提供、各種技術支援などを行っていくという。

中でも、CRMを除くForce.comのプラットフォーム全機能をパートナーに提供し、これを含めてパートナーのアプリケーションパッケージとして提供できる環境の提案は画期的だ。これにより、パートナー独自のブランドや料金体系で、Force.comを組み込んだ製品の投入が可能になるという。

同社アライアンス事業本部シニアディレクターの御代茂樹氏は、このパートナープログラムについて、参加の容易さを強調。参加ISVには「無償の統合開発環境や技術情報を提供するとともに、開発者同士の議論や質疑応答ができるディスカッションボードを来週にもオープンする」という。
OEM契約のための初期費用やプログラム費用は不要で、固定費にとらわれずに、パートナーの月額サービス価格の一定比率をライセンス料として徴収する仕組みという。また、Force.comは30日間のトライアル期間中も販売活動に利用できる。
「当社にとっては、OEMパートナーが、どんなアプリケーションを、どんな市場に投入してくれるのかが大切である」(御代氏)とした。