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どのタイプのデスクトップ仮想化を選びますか?--それぞれのメリット、デメリット - (page 2)

栗原潔(テックバイザージェイピー)

2010-01-27 08:00

2. 仮想PC方式

 サーバ上でハイパーバイザにより複数の仮想マシンを稼働し、そのそれぞれでOSとデスクトップ環境を稼働する方法である。仮想デスクトップ環境を動的に生成するデスクトッププロビジョニング機能が提供されていることが多く、CitrixのXenDesktop、VMwareのVMware View(旧名称: VMware VDI)などにより実現される。ターミナルサーバ方式との相違は、ターミナルサーバ方式ではサーバあたりひとつのOSしか稼働しないのに対して、仮想PC方式ではサーバ上で複数のOSが稼働し、個々のOSに対してはひとつの仮想デスクトップ環境しか稼働しないことだ。

 ゆえに、仮想PC方式は既存アプリケーションとの互換性という点でターミナルサーバ方式よりも有利だ。サーバ上で稼働するデスクトップアプリケーションの立場から言えば、従来型のデスクトップ上のOSで稼働するのとほとんど違いはないからだ。一方で、ハイパーバイザとゲストOSの二重のオーバーヘッドが発生するという課題がある。また、特定の仮想デスクトップ環境の処理負荷が高いと同じサーバ上で稼働する他のデスクトップ環境にも影響を与える可能性がある点はターミナルサーバ方式と同様だ。

3. ブレードPC方式

 ブレードPCとは通常のブレードサーバのようにブレードの1枚が独立したクライアントPCとして機能するハードウェア製品だ。Hewlett-Packardや日立製作所などが製品を提供している。仮想化の階層が介在することなくハードウェアを直接利用できるので、この方式を仮想化と呼ぶことは必ずしも正確ではないが、現実にはデスクトップ仮想化の範疇で語られることが多いようだ。

 ブレードPC方式の長所はその単純性にある。いわば、ディスプレイケーブルやキーボードケーブル、マウスケーブルがきわめて長いPCの本体をラックに格納したようなものなので、アプリケーションの互換性を気にする必要がない。また、各仮想デスクトップはハードウェアとして分離しているので、ひとつのクライアントアプリケーションの障害が他のクライアントに影響を及ぼすことがない。同様に、ハードウェア障害の影響も局所化できる。さらには、仮想化ソフトウェアが介在しないため仮想化によるオーバーヘッドもない。

 その反面、ブレード間でのコンピューティング資源の融通がきかないため、ほとんどのブレードの処理能力が余っているにもにもかかわらず、特定のブレードだけ処理能力が不足するようなケースもあり得る。もちろん、電源や冷却装置を複数のブレード間で共用できるという点での効率性は高いのだが、全体としてサーバ側のハードウェア資源の有効利用という点では他の方式に劣る。

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