アビームコンサルティングは2月3日、企業の情報システム部門を対象に運用保守業務を分析評価する「情報システム運用保守業務分析サービス」の提供を開始したことを発表した。参考価格として基幹系システムあたり約100万円を提示している。

サービスでは、(1)コスト低減力(2)変化対応力(3)効率性(4)ビジネス貢献力(5)事業継続性――という5つの視点で組織を評価する「5軸分析」と、運用保守業務をインソースかアウトソースかで切り分けて評価する「インアウト分析」を展開する。
分析結果として改善ポイントやアウトソーシングでの人件費を変動費化した場合のコスト削減率を示す。アビーム独自の分析フレームワークで業務を分析して、結果は報告書にまとめられる。現状調査から結果報告まで約1カ月の期間がかかるとしている。

情報システムの運用保守業務にかかわる組織は、属人化による人の固定化に起因する事業継続リスクや変化に対応できないという課題があり、抜本的な見直しが必要といわれる。また、閉塞感で人材が活性化しない状況に陥っている企業も少なくないとも指摘されている。
情報システムも含めた企業に所属する人材の活力を高めるためには、役立つ存在であることを自ら実感できる環境が重要だ。事業継続とコスト抑制の実現では、従業員の意識向上につながる環境へのシフトと人件費の変動費化を視野に入れた人員の配置が有効と同社は説明する。
今回提供が開始されたサービスは、企業独自の判断が困難な運用保守運営の合理性を、アビームが第三者的見地から分析、診断して、情報システム部門の組織力最大化を図ることを目的に開発された。企業がこのサービスを利用することで、情報システム部門が積極的に企業価値向上に貢献できる可能性の大きさに“気づき”を提供することを目指しているという。
企業の年間のIT投資額は、7〜8割が運用保守にかけられ、企業価値の向上につながるような新規システム開発にはあまりコストをかけられないというのが現状だ。アビームは、今回のサービスはそうした課題の解決にも対応できるとしている。