日本オラクルは2月9日、SI事業者のアイキューブドシステムズと提携し、「Google Apps」とオラクルのSaaS型CRMアプリケーション「Oracle CRM On Demand」を連携させる統合ソリューション「Malco for Oracle CRM On Demand」を共同で展開していくと発表した。
Malco for Oracle CRM On Demandは、Google AppsのGmail、Googleカレンダー、Googleドキュメントなどの情報をOracle CRM On Demandと同期させることが可能。これにより、同じ情報を双方のアプリケーションで利用できるようになる。
具体的にはGoogle AppsにOracle CRM On Demandを呼び出すボタンやガジェットを組み込めるようになる。たとえば、企業の営業担当者が日常使用している最も慣れ親しんだアプリケーションを用い、スケジュールの確認、営業日報の作成、商談の状況照会といった、通常の営業業務を行うことができるという。
日本オラクルでは「Oracle CRM On Demandに内蔵された分析機能を活用すれば、顧客対応プロセスの効率化と営業部門責任者による迅速な意思決定が可能になる」としている。利用料金は月額課金制になる模様で、Oracle CRM On Demandが月額1ユーザーあたり7609円、Google Appsとの連携サービスが1ユーザーあたり100〜1000円。
日本オラクルでは今後、企業のGoogle Apps利用が一層加速するとの認識。また、アイキューブドシステムズが保有するGoogle Apps関連の技術力と提案力、それらを活かしたクラウド環境での業務アプリケーションのマッシュアップや連携の実績などを高く評価しており、今回同社と協業することとなった。
クロスクラウドへの新たな一歩を踏み出す
日本オラクル 執行役員 ライセンス事業 CRM On Demand統括本部長の藤本寛氏は、「最近、SFA(営業支援システム)やCRMなどを全てのホワイトカラーが使えるような仕組みはないか、というような要望が出てきた」とする。Oracle CRM On Demandへの垣根を低くするGoogle Appsとの連携は、このような需要への対応策であるとともに、異なるクラウドとクラウドを結びつける「クロスクラウドへの新たな一歩を踏み出すもの」と位置づけている。また、今回のソリューションでOracle CRM On Demandを使いやすくし、裾野をいっそう拡大することを図る。
アイキューブドシステムズは福岡県にあるベンチャー企業。Google Appsの導入支援や他の業務アプリケーションとの連携支援を事業化しているが、SFAとの連携を求めるニーズが高くなってきたことから、Oracle CRM On Demandと連携できるMalco for Oracle CRM On Demandの提供を決めたという。
アイキューブドシステムズ社長の佐々木勉氏は、「Google Appsはコストパフォーマンスが高く、導入も素早くできる点などが優れ、認知度が最高のSaaSになっているのではないか」と述べる。「これから数年で、さらに急速に普及するだろう」と予想しており、Google Appsの導入支援、連携支援に取り組んでいる。
佐々木氏は「Google Appsのような、コミュニケーションおよびコラボレーションのツールに、Oracle CRM On Demandを統合することで、企業は競争力を高くすることができるだろう」としている。