NTTデータ・セキュリティ、PCI DSS準拠の脆弱性スキャンをクラウドで提供

田中好伸(編集部)

2010-02-16 13:34

 NTTデータ・セキュリティは2月15日、企業ネットワークの脆弱性評価サービスを提供するクォリス ジャパンの「QualysGuard PCI」をベースにPCI DSSに準拠した脆弱性スキャンサービス「NinjaSCAN」の販売を始めたことを発表した。

 NinjaSCANは、QualysGuard PCIを日本語化した脆弱性スキャンサービス。企業の各拠点に存在するネットワーク機器やサーバ、クライアントPCなどに搭載されるソフトウェアの脆弱性診断や診断結果からPCI DSS準拠の状況判定などをネットワーク経由で展開する。

 ユーザー企業は、自社のセキュリティポリシーにそった一元管理が可能になるとしている。国内外に多数の拠点を抱える企業などは、クラウド型のNinjaSCANを利用することで、脆弱性スキャンや管理が容易になることで、従業員の業務負担が軽減される。専門技術者による年4回以上の訪問診断と比較して、大幅なコスト削減を図れるという。

 NTTデータ・セキュリティはNinjaSCANのほかに、大規模で分散型の組織を対象にしたセキュリティリスクや法令順守(コンプライアンス)管理を提供する「QualysGuard Enterprise」と、中堅中小企業や大企業の部門を対象にした「QualysGuard Express」を併用した脆弱性スキャンサービスも提供する。小売りや流通、サービス、通信といった業界を対象に今後3年間で1億円の売上高を目指す。

 QualysGuard PCIは、ハードやソフトのインストール、メンテナンスに煩わされずにクラウド型で提供されるウェブアプリケーション。PCIコンプライアンスのテストやレポーティング、提出を簡単に実施できるツールという。ユーザー企業がPCI自己問診票をオンラインで入力、提出し、すべての外部システムに対して定義済みのPCIスキャンを実施、PCI基準で要件となるネットワークやシステムの脆弱性を特定できる。

 PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)は、クレジットカード会員の情報を保護し、不正利用やセキュリティ事故を防止する目的でクレジットカードブランド5社が共同で策定した国際基準。クレジットカード加盟店、銀行、決済代行サービス企業のほか、ネット上でカード決済する小売りや流通、サービス、通信、運輸などの各業界、また水道料金などの公共分野もPCI DSSによるコンプライアンスが求められている。

 PCI DSSに準拠しているかどうかは、企業規模に応じて自己問診や脆弱性スキャン、訪問調査の3段階で行われる。自己問診以外は、クレジットカードブランドが設立した推進協議団体「PCI Security Standards Council LLC(PCISSC)」が認定する認定スキャンベンダー(Approved Scanning Vender:ASV)や認定審査機関(Qualified Security Assessors:QSA)が実施する必要がある。

 クォリスは、PCISSCから認定されたASVであり、ユーザー企業はQualysGuard PCIを活用することで、PCI準拠の自己問診で脆弱性をスキャンし、自動的にセキュリティの脆弱性を識別、除去できるという。

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