2.仕事の情報処理と「コミュニケーションツール」の関係
前述の3つの種類の情報をやり取りすることで、仕事のプロセスは進んでいく。そのプロセスを整理すると、
- 3種の情報を「収集」「受信」する。
- 集めた情報を「参照」「分類」「加工」する。
- さらに「再分類」し、他者に対して「分配」「発信」する。
といった工程になるだろう。他者に対して「分配」「発信」された情報は、また別のユーザーによって同じプロセスをたどり、場合によっては元の発信者にフィードバックされる。
この連載は「ICTツールの選び方と使い方」をテーマとしているが、これらの情報ソースと処理の手順は、本来デジタルなものに限らない。
例えば、社外からかかってきた注文電話(プッシュ情報)を受け、その内容を伝票に書き込んで(プッシュ情報の加工)、担当者に回し(発信、プッシュ)、伝票を保管しておく(ストック化)といった作業は、コンピュータが普及していなかった時代にも普通に行われていたことだ。新たなビジネスを開発するためのプロセスとしては、新聞や雑誌のニュース、統計情報など(社内外のストック情報、フロー情報)を収集して、自分の手元に集め(ストック化)、頭の中で考え出したアイデア(加工された新たな情報)を会議などで発表(分配、発信)し、プロジェクト資料として保存(ストック化)しておくといった流れが生まれる。
仕事の中では、こうした情報の収集、受信、分配、保管といった作業を、効率良く行うためにICTツールを使っているわけだ。