日立製作所は2月16日、同社の「モジュール型データセンタ」にモジュール内の温度や湿度、消費電力量を一元管理する“管理・監視機能”を追加、2月17日から販売を開始することを発表した。
今回追加した機能は、モジュール型データセンタを管理、監視する専用ソフトウェアと、さまざまな設定情報を入力して、マップやグラフなど視覚的にデータを表示する操作パネルで、データセンター管理の可視化を実現するという。
温度や湿度、電力量など空調機の稼働状況の各種データを収集、監視するとともに、異常通知などの機能を活用できる。収集したデータや異常発生個所は、モジュール型データセンタを上から俯瞰したマップで表示され、設備管理者は迅速に対応できるという。また、管理者が異常値の範囲をそれぞれ設定できるなど、ユーザー企業それぞれのポリシーにそったきめ細かい、ムダのない運用を支援するとしている。
収集された各種データは、一定期間保持されることで温度や湿度、電力量の変化履歴もグラフなどで表示できる。運用状況を長期的なサイクルで振り返ることで、効率化に向けたデータセンターの運用方針の検討なども容易になるという。
日立は、9月末までにモジュール型データセンタ内の空調機器管理に加え、制御までを実現する機能を提供する予定という。日立のモジュール型データセンタは、企業の情報システム部門やデータセンター事業者向けに省電力、省スペースのデータセンター環境に関するコンサルから構築、保守までをワンストップで提供するデータセンター構築ソリューション。2009年1月から提供している。
はじめに同社の空調環境コンサルサービス「AirAssist」などを活用したシミュレーションなどを実施し、結果に基づいてサーバやストレージなどIT機器を搭載したラックや冷却装置などを小規模な一つのモジュール内に、稼働効率が最大となるよう配置したモジュール型データセンタを構築する。モジュール型データセンタは、同程度のIT機器を従来型のデータセンター設備で稼働させた場合と比較して、消費電力を最大27%、設置面積を最大75%削減できるという。