8.顧客に落ち着くように言う
火を消そうとして、ガソリンをかける人はいない。しかし、顧客に「落ち着いてくれ」と言うことは、それと同じことだ。それで顧客が落ち着くことはない。実際、顧客は自分が腹を立てていることを、腹立ち紛れに否定するだろうし、その指摘によってより腹を立てることだろう。
頭に来ている人は、インフルエンザにかかっているようなものだ。彼らの怒りは、とにかく一通りの症状を経る必要があり、その後でしか相手と理性的に対応することはできない。私が教えてきた顧客サービス教育コースの研修生で、「落ち着いて欲しい」という言葉が実際に役に立ったと言った人は1人だけだった。分の悪い賭けだ。この言い回しは使わない方がいい。
9.「動揺する(upset)」の同義語を使う
われわれは皆スラングを使う。しかし、「動揺する(upset)」を意味するスラング表現を使うのは避けるべきだ。顧客と話しているときには、決して、相手の状態を指して次のような表現はしてはならない。
- Freaking out(薬物でトリップする、イライラする)
- Flipping out(舞い上がる、興奮する)
- Bent out of shape(酔ってフラフラになる、怒る)
これらのスラングを使うと、状況を真剣に考えていないと取られたり、からかわれていると思われたりする可能性がある。これらの表現は、顧客以外の人(例えば同僚)と話している場合でも避けた方がいい。その言葉が顧客に伝われば、問題が起きかねない。
10.物理的な位置取りの利点を生かすのに失敗する
イライラしている顧客に対面で対応する際には、上手に物理的な位置取りをすべきだ。もし立っているのであれば、座る場所を探すべきだ。座ることは平和的な状態を意味する。これは、その状態から戦うのが身体的に難しいからだ。席に着いたら、障害物を取り払う。もしあなたがデスクやカウンターの反対側にいるのであれば、そこから出てきて、顧客と同じ側に座るとよい。2人で文書や地図、図表を見ているのであれば、相手と同じ方向を見る位置に着くのがよいだろう。これらの行動はすべて、あなと顧客は同じ側に立っているというメッセージを送るものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ