経験をじっくり吟味する
履歴書を審査する際に注意すべき大きな問題として、応募者がプロジェクトにほんの少ししか関与していないにも関わらず、そこで中心的な役割を果たしたかのように記載するというものがある。例えば、あるブレインストーミングにおいて筆記役を務めただけの人物が、履歴書に「仕様の検討と策定において豊富な経験がある」と記述することもあり得るわけである。このため、履歴書に記載されている経験について、あなたが興味を惹かれたものについては特に、具体的な内容を質問しなければならない。そして、応募者の答えを掘り下げていくわけである。こういったやり取りのイメージを描きやすいよう、以下にSusan(面接者)とKevin(応募者)の会話を例として紹介する。
Susan:あなたの履歴書には、CRMシステムの新規開発において重要な役割を果たしたと書かれていますが、そのことについてもう少し詳しく説明してもらえますか。
Kevin:その開発は、ASP.NETとMicrosoft SQL Serverを使用したウェブアプリケーションのものであり、開発言語はC#でした。
Susan:あなたはその開発においてどのような役割を果たしたのでしょうか?
Kevin:私はデータアクセス層とビジネスロジックを担当し、ユーザーインターフェースとの連携部分を実装するためにデザイナーとの共同作業も行っていました。
Susan:データベースとの通信にはどういったテクノロジを使用したのですか?また、ビジネスロジックはどこに格納したのですか?
Kevin:テーブルの構造はデータベース管理者によってあらかじめ設定されていたので、わたしはNHibernateを使用して該当データベース上での作業を行いました。そして、適切なメソッドや機能以外を隠蔽したデータアクセスオブジェクトを新たに作成しました。また、NHibernateやデータベース自体では行うべきでないデータ検証処理やデータ変換処理も別途担当しました。
こういった質問を行うことで、Susanは短時間でものごとの核心をつかむことができたことになる。もしもKevinがプロジェクトにおける自らの役割や、使用したテクノロジ、その制約といったことについて明確に答えられなかったのであれば、彼は自らの経験を誇張して履歴書に記載しているという判断を下すことができるはずだ。
結論
開発者の採用は一筋縄ではいかない。そして、不適切な人材を採用してしまうと、その人材が失敗をしでかしてもなかなか気付かない場合があり、そのフォローにはさらに時間がかかる場合もある。理想を言えば、応募者について知るために、一般的に行われている面接よりももっと長い時間をかけるべきであるものの、そのような余裕があることは少ないだろう。本記事で紹介しているティップスは、優れた開発者とそうでない開発者を見極めるために役立つはずである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ