ここでは一例として、あるプロジェクトにおける企業内外のコミュニケーションツールとして「メール」を利用し、企業内のスケジュール共有ツールとして「グループカレンダー」を利用している場合のミーティング開催までの流れを考えてみよう。
- グループカレンダーでミーティング参加者の空き時間を調整する。(グループカレンダー)
- メールでアポイント先にミーティング候補日を提案する。(メール)
- アポイント先からミーティング日程調整のメールが届く。(メール)
- グループスケジューラーにアポイントを登録する。(グループカレンダー)
- 会議室予約をする。(グループカレンダー)
- スケジュール登録とともに会議出席者にはスケジュール確定のアラートメールが配送される。(グループカレンダー+メール)
- アポイント先にミーティング日程確定のメールを送る。(メール)
- アジェンダや資料を添付ファイルとして送る。(メール)
- 実際のミーティング
- 打ち合わせ後、アポイント先に議事録をメール添付で送る。(メール)
- 数週間後、新たなミーティングに先駆けて、前回のアジェンダ、資料、議事録をメールの中から検索し次回のアジェンダを作成する。(メール)
グループカレンダーとメールによりミーティングの設定が行われ、ミーティング開催、次回のミーティングの準備まで行える。実際に、このような仕事の進め方をしている人も多いのではないだろうか。
適材適所で別のツールを導入してみると……
さて、この例では、多くのプロセスが「メール」というツールに依存していることが分かる。
メールでのコミュニケーションは極めて手軽な一方で、メールメッセージは次々と蓄積されていくために、大量のメールの中から数日前に受信したメールを探し出すには、検索やフォルダ振り分けなどの工夫が必要となる。添付ファイルの中から最新、かつ必要な情報を探し出すのは、さらに面倒な作業になる。
こうした問題を回避するために、情報のやり取りのプロセスの中に他のツールを組み入れてみるという方法もある。例えば、アジェンダや資料、議事録については、社外のセキュリティが確保された「ファイル共有ストレージ」サービスに保存し、常に最新版を社内外の関係者が参照できるようにしておく。そのサービスで検索機能が提供されていれば、特定のキーワードに基づく情報を多くの資料の中から探し出すこともできる。これにより、メールメッセージのはんらんによる情報の見落としや、添付ファイルの紛失も避けることができる。
フィードパスでは、こうしたプロジェクトでのコミュニケーション向けに「feedpath Rooms」というツールの提供を開始した。「メールに代わる次世代企業間コラボレーションツール」と銘打っており、社内外をまたいで進んでいくプロジェクトにおいて、テーマごとの「メッセージ機能」と「共有ストレージ機能」を提供する。必要な情報を必要なメンバーと共有することが可能で、メッセージはアーカイブされ検索可能である。
グループカレンダーとメールだけでなく、他のツールを利用シーンによってうまく組み合わせ、使い分けることで、仕事はより効率化される。
次回以降は、主にクラウドで提供されているさまざまなコミュニケーションツールを、機能別に紹介していく。
筆者紹介
後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパスCTO。2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。「Zimbra」の日本市場展開、ビジネススケジューラの「feedpath Calendar」事業統括を担当するとともに、メールに代わる次世代企業間コラボレーションツールとして開発中の「feedpath Rooms」のエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントは「feedpath」。
feedpath Roomsについて
フィードパスがクラウドアプリケーションとして提供する、企業間コラボレーションツール。メールに変わるコミュニケーションプラットフォームとして、メッセージ機能と共有ストレージ機能を提供する。