日本テラデータは3月5日、クラウド環境向けに製品とサービスを組み合わせた「Teradata Enterprise Analytics Cloud」を発表した。第1弾としてプライベートとパブリックの両方に対応するサービスを同日から提供を開始した。
第1弾として提供されるのは、プライベートクラウド向けの「Teradata Express for VMware Player」とパブリッククラウド向けの「Teradata Express for Amazon EC2」の2つ。米国では2009年10月から展開されている。
どちらもクラウドで同社のデータベース管理システム(RDBMS)「Teradataデータベース」を活用できるというものであり、開発と評価の2つの用途に限定して、Teradataデータベースのライセンスを無償で活用できる。プライベートとパブリックの両環境で、必要な時に必要な分だけ開発やテスト環境が構築できることから、開発の利便性や効率化を図れるとしている。
Teradata Express for VMware Playerは、VMwareの仮想化製品で構築されたプライベートクラウド環境用のTeradataデータベースであり、社内評価やテスト目的の利用を想定している。
開発者向けウェブサイト「Teradata Developer Exchange」から無償でダウンロードできる。64ビット対応のx86互換CPUを搭載したサーバでTeradataデータベースを短時間で構築できる。既存サーバを活用した評価や検証ができることに加えて、開発環境の統合と運用コストの削減ができるという。
Teradata Express for Amazon EC2は、米Amazon Web Services(AWS)が提供するPaaS「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」上で利用できるようにあらかじめパッケージ化されたTeradataデータベース。柔軟な構成とコスト効果が高いというAWSのインフラストラクチャのメリットを活かして、短時間で価値を生み出したいプロジェクトなどで効果を発揮できるとしている。
急にテスト環境が必要になった場合やある一定期間だけ複数の開発環境がほしいといったさまざまなニーズを満たして、第三者との共同開発やテストなども含めた、効率的な開発を支援するとしている。Teradata Developer Exchangeで申し込むことで利用できる。
Teradata Enterprise Analytics Cloudは、テラデータが提供するクラウドソリューションの総称。今後順次製品やサービスを拡大していくとしており、プライベートクラウドでデータ分析を展開する「Teradata Viewpoint Portlets」やSaaSを予定している。
Teradata Express for VMware PlayerとTeradata Express for Amazon EC2は、用途を開発や評価に限定している。日本テラデータは、本番環境がクラウド上に移行するのはまだ先とみており、「ミッションクリティカルなデータをクラウドに載せるのはまだ先のこと」と考えている。