日本のマネジメントは「効率性向上」から「生産性向上」への転換を--ガートナーCIO調査 - (page 2)

富永恭子(ロビンソン)

2010-03-09 17:45

期待されているのは「軽量化テクノロジ」

 さらに、「テクノロジ面の優先度」ランキングは、前年までとは大きく傾向が異なった。「クラウドコンンピューティング」「仮想化」などがベスト3に入り、2006年以降第1位の座を独占していた「ビジネスインテリジェンス」がベスト3圏外となった。ガートナーでは、この傾向は世界、日本に共通だとしている。

2010年におけるテクノロジ面の優先度 2010年におけるテクノロジ面の優先度(出典:ガートナー)

 これらの特徴について、ガートナーでは、日本の企業は世界各国の企業に比べて景気面で出遅れ感を強く持っており、これが企業のIT予算にも強く影響していると考えられると分析する。世界的景気悪化傾向の影響で、IT予算に対して「可能な限り低コストで一定の結果を出す」効率最優先の状況だった2009年に続き、日本では、2010年もその方向性は大きく変わらないとみている。

 しかし、世界のCIOの回答内容を分析すると、先進企業では、既に効率化から脱却し、新規IT投資による生産性の向上へと方向性を大きく修正しているとガートナーは指摘する。これは、生産性に対する「一定のリソースからより大きなアウトプットを取り出そう」とするマネジメントの方向性を指しているという。

 世界では、ビジネス面での優先度の第1位に「ビジネスプロセスの改善」が挙がっており、この結果が、先進企業の「生産性向上への注力」への戦略転換に起因していることが分かるという。一方で日本の第1位は「コスト削減」であり、いまだ「効率性優先」の姿勢が顕著であるとする。

 この背景について、ガートナーでは、2010年におけるテクノロジ面の優先順位が大きく変化したことを指摘する。それは、「仮想化」「クラウドコンピューティング」「Web 2.0」といったテクノロジの特徴である初期投資の低減、変動費的構造への期待感の高まりだという。しかも、必要となる自社内のサポートリソースも少ないと考えられているため、CIOから見た場合に「軽量化テクノロジ」として評価されていることを挙げている。このことから同社は、全世界のCIOは「軽量型を実現するテクノロジが、企業にとってより大きなケーパビリティの源泉になる」ことを期待しているとみている。

 ガートナーは、日本のCIOに向けて、「効率性向上」から「生産性向上」のマネジメントに素早く転換し、景気回復局面で出遅れないようにするよう提言しているという。また、新たなテクノロジについては、既に枯れたテクノロジとは全く違う観点で評価する必要があることを理解するよう呼びかけている。

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