リコーは「NetRICOH」として、すでにネット直販を開始しており、これをベースにした個人ユーザー向けの展開も、当然視野に入っている。
「企業内の個人ユーザーや、SOHO、個人事業者などが対象になるのはもちろん、在宅勤務などの増加にあわせて、家庭内のネットワーク環境を構築しなくてはならないといった例も出てくるだろう。仕事の仕方が変わり、オフィスを持たない形で仕事をする人も出てきており、こうした人も対象になる。リコーおよびリコー販売では、月間5万台のPCを販売しており、これらを通じた個人向けの販売増加もあるだろう。またシステムパートナー自身も個人ユーザーまでターゲットを広げるといった変化があり、そうしたパートナーとも連携を強化していくことになる」と近藤社長は語る。
同社では、コンシューマー向け製品として、自社ブランドのデジタルカメラを製品化している。マニア層に高い人気を誇るデジカメの切り口からも、コンシューマー事業拡大が見込まれる。また、ICS(Image Capturing Solution)と呼ぶ、デジカメを利用したイメージ活用サービスにも乗り出しており、これもコンシューマー分野に向けた大きな切り口となる。インターネットを利用した画像管理サービス「quanp」との連動も積極化することになろう。
コンシューマー事業の売上げ規模について、リコーでは明言を避けたが、近藤社長は、「早い段階で3桁の規模にしたい」と、100億円規模にまで成長させることを最初の目標に掲げた。
まだ事業規模は小さいが、リコーのコンシューマー事業に向けた準備は着々と進んでいる。「新たなビジネスに向けては、新たな商材が必要。PCをリコーブランドでやることは考えていないが、どうしても必要となる商材、リコーが技術を注入していける分野については、どんどんリコーブランドでやっていきたい」(近藤氏)との姿勢もみせる。
どんな商材を取りそろえ、どのような事業展開をしていくのか。青写真が見えてくるのが楽しみだ。