大和総研ビジネス・イノベーション(大和総研BI)は3月16日、東芝ソリューションが開発したOCR(Optical Character Reader)ソフトウェア「携帯電話搭載の免許証読み取りOCR」を利用した「本人確認記録ペーパレスソリューション」の企画販売を開始すると発表した。携帯電話搭載の免許証読み取りOCRは、免許証を携帯電話のカメラで撮影し、住所、氏名、生年月日などの文字情報を読み取るソフトウェアだ。
今回、大和総研BIが提供するソリューションは、証券、銀行、保険業などの契約事務で発生する本人確認記録の作成や保管業務への適用を想定しているという。本人確認記録は、犯罪による収益の移転防止に関する法律などにより、作成、保管、管理が義務付けられている。しかし、同記録が紙またはイメージファイルなどで管理されているため、管理の過程において高い事務コストがかかるとともに、膨大な紙資源を消費することが事業者の課題だとしている。
それに対して同ソリューションは、本人確認記録原本として運転免許証が利用されるケースが多い点に着目、携帯電話搭載の免許証読み取りOCRと連動した本人確認記録管理システムとして提供する。特徴となる携帯電話搭載の免許証読み取りOCRの機能は、営業外交員が外出先で顧客と契約手続きを行う場面において、携帯電話のカメラ機能と文字認識ソフトウェアで契約書の「通し番号」と契約者の運転免許証情報を読み取り、バックシステムに送信するために活用する。
運転免許証コピーのイメージデータを送信することで、その場で本人確認資料を電子化できるだけでなく、契約書類への記入は契約条件や付帯情報のみとなるため、記入や登録事務など契約時の作業が効率化でき、顧客と営業外交員の負荷を削減するという。また、契約書に個人情報を記載する必要がないため、出先での事故などによる個人情報漏洩リスクを回避できるとしている。
今回両社は協業し、携帯電話で稼動する文字認識ソフトウェアを東芝ソリューションが提供、取得した免許証情報による本人確認記録作成機能の開発を大和総研BIが行う。また、IC免許証普及時には拡張機能として、ICリーダで読み取った免許証情報の真正性確認を同ソリューションに適用するビジネスモデルも検討しているという。両社は今後も、利用企業とその顧客のニーズにあわせて連携を強化し、同分野での最適なソリューションを提案していきたいとしている。