マネジメントアプローチの2010年度からの適用を考えると、比較対象年度として2009年の数値の作り直しが発生する。新基準下でのセグメント体系を早急に確定させ、新体系での情報作成方法やプロセスを準備しておくだけではなく、当年度のセグメント情報の再作成に取りかかることが企業に必要とされているという。その意味では「未定」ではあるものの、水面下では急ピッチで準備を進めていることは間違いないと思われるとディーバでは推測している。
![マネジメントアプローチ導入に伴うセグメント区分の見直し](/story_image/2041/20410516/100316_diva02.jpg)
また、セグメント情報の作成方法に関して尋ねたところ「管理会計をベースに整合性を調整」するとの回答が15%あった。こうした企業はマネジメントアプローチへの理解と、制度会計と管理会計の整合性や融合性を図ることが、進んでいるとみられるとディーバでは評している。一方、「従来通り連結財務諸表から作成」すると答えた企業は54%だったという。
連結決算部門において連結業務以外で優先度が高い課題について、順位付けで回答を得たところ、多くの企業が「最も優先度が高い」としたのは「(決算開示の)早期化」だったという。ディーバでは、昨今のIFRSアドプションへの注目度から「IFRS対応」が最も多くなると想定していたが、企業にとっては依然として「早期化」が重要なテーマであることが浮き彫りになった。
また、別のアンケート項目では「内部統制対応」について半数を超える企業が重要な課題としてあげており、企業が内部統制の初年度対応から継続的な運用にシフトして取り組んでいることが想像できるとしている。決算部門が早期化を目指しつつも、一方でIFRS対応や内部統制の継続的な運用を行うことになるので、限られた人員で連結業務に対処していくためには、効率化という視点が今後も必要になると思われるとディーバではコメントしている。