また重量は、従来のラックマウントサーバで同等の構成にした場合と比較し、1ラックあたり約40%の軽量化を実現しており、床の耐荷重による設置上の制限にも柔軟に対応できる。たとえば、床が耐えられる荷重が、1平方メートルあたり500kg以下であれば、31台までしか搭載できなかったが、PRIMERGY CX1000では38台フル稼働できる。
消費電力の削減も、同冷却方式の成果だ。従来、1ラックあたり300個以上搭載されていた冷却ファンをなくしたことにより、1ラックあたりの消費電力を従来製品(PRIMERGY RX200 S5)と比べ約13%削減している。これも同様に、1ラックあたりの消費電力が6kW以下との制限があれば、従来24台しか搭載できなかったものが38台フル稼働できるようになる。
さらに、ユーザビリティの向上も注目される。従来、設置や保守の際には、前方と後方の両側から作業をしなければならなかったが、今回、すべてのインターフェースはサーバノードの前面に配置している。サーバノードとラック間の電源を直結し電源ケーブルをなくしたため、ラック前方から全作業ができ、作業工数を削減できる。また、サーバノード単体の軽量化で、設置や保守作業時の作業者の負担も軽くなる。
富士通では、データセンター事業者15社、ネットサービス企業20社に聞き取り調査を行い、データセンターが最近抱えている主な課題を探ったところ「電力・設置面積コスト、保守・運用コストの上昇」「消費電力や床加重の制限により、もっと多くのサーバを設置したくてもできない」「デッドスペースの増加」といった声が寄せられたという。PRIMERGY CX1000は、これらの課題に応える高密度サーバプラットフォームとして位置づけられるという。
販売価格は、Xeon E55062基、HDDなし、メモリ2Gバイト×8のサーバノード38台を搭載した最小構成で1480万円(税別)から。目標販売台数は、2010年度に国内で100ラック(3800ノード)としている。
