沖データ(OKIデータ)は3月18日、グループ主要30拠点の業務システムの運用、保守、新規開発をインドのWiproに3年間外部委託する契約を締結したことを発表した。Wiproに日本企業がグローバル規模で全面委託するのは今回が初めてという。
OKIデータは世界39カ国69拠点でプリンタ、複合機の事業を展開。グループの企業数は36で、従業員数はグループ全体で5447人となっている(2009年3月末現在)。
グループの情報システムは日本、欧州、米州の主要ビジネス拠点で個別最適化されていて、拠点ごとの専門スタッフで維持運用されていたという。社内人件費を含むIT費用の増加と各種データの集計、分析で経営情報が拠点ごとに最適化され、一元化が図られていないことなど、コスト削減と効率化、ガバナンス強化が重要な経営課題だったとしている。
今回はまず、主要30拠点で即効性が高いという業務システムの運用、開発を4月からWiproに委託し、3年間で平均30%のコスト削減を目指す。OKIデータ社内のITシステム技術者を営業や技術、生産、経理などの実務部門に配置して、実務に精通したITシステム技術者を育成することで、部門ごとに個別最適化されていた各種経営情報の一元化を図る。その後でグループウェアや顧客情報管理システム(CRM)、インフラなど業務システム以外の改革を進め、コスト削減と経営情報の一元化でガバナンスを強化していくとしている。
OKIデータは4月にグループ企業を横断するIT戦略統括組織「OKIデータグループIT委員会」と実行部隊「IT企画チーム」を設置して、ITシステムへの投資、効果、リスクを継続的に最適化するための組織的な仕組み「ITガバナンス」を強化する。従来、主要ビジネス拠点のITシステム部門で実施していたITシステムの運用、保守の費用をIT戦略と外部委託の活用で、全IT費用の30%コスト削減を目指すとしている。
Wiproは、54カ国72拠点で世界822社のITシステムをサポートしている。OKIデータグループIT委員会に参加して、ITシステムの総所有コスト(TCO)を目的として継続的にコンサルティングを展開していくとしている。インドのオフショアによるシェアードサービスと主要ビジネス拠点へのオンサイトサービスを使った、低価格で効率的な運用保守サービスを提供するという。