プライベートクラウド環境の構築で注意すべき項目10選 - (page 2)

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-03-23 07:00

#4:ネットワークの遅さが問題になることもある

 ネットワークの速度を最高レベルにまで引き上げておかない限り、多くのユーザーから不満の声が上がってくる可能性もある。十分なネットワーク帯域を確保しておかない限り、クラウドサービスを提供することはできない。また、ユーザー数が多ければ多いほど、ネットワークというパイプを太く強化しておく必要がある。5番の項目とも関係するが、あなたはネットワークのために大金を投じる用意があるのだろうか?

#5:コストは一番の障害となる

 ハードウェアが新たに必要となる。ソフトウェアも新たに必要となる。ネットワーク設備も新たに必要となる。こういったものをすべて挙げると、クラウドの信奉者ですら極めて否定的な気持ちになるはずだ。サーバだけでも中小企業のIT予算を超過してしまうだろう。OSイメージを保存しておくには膨大なハードディスク容量が必要であり、マシンを稼働させるには気の遠くなるほどのRAM容量が必要であり、CPUも入手可能な最高速度のものが必要となる--つまり、重装備のサーバが必要になるというわけだ。Amazonは巨大な規模のデータセンターを有しているため、こういったことが可能なのである。中小企業の場合、そのような設備は用意できないだろう。あなたの会社は、大金を投じる用意があるのだろうか?

#6:OSイメージがすべてである

 Eucalyptusサーバを設定する際にダウンロードできるOSイメージは数多くある。FedoraやUbuntu、CentOSなどだ。あなたは(そしてサーバのハードディスクは)、自社内で必要とされる可能性のあるすべてのOSイメージに対応できるのだろうか?そして、こういったイメージには、稼働させる必要のあるアプリケーションは含まれていない。この時点で話はとても複雑になっている。あなたは十分な調査(3番を参照のこと)を行えているのだろうか?

#7:信頼性を甘く見ると、足をすくわれる

 筆者は今までも(つまりシンクライアントやアプリケーションサーバの流行時に)、そして今現在も(つまりクラウドの流行している今)、単一障害点に対する考慮が重要であると主張している。マーフィーの法則は、間違いなくクラウドコンピューティングをも支配しているのだ。考えてみてほしい。クラウドサービスを運用する場合、障害が発生する可能性はずっと大きなものになる。アプリケーションやハードウェアのみならず、ネットワークもダウンする可能性があるというわけだ。そして、ネットワークがダウンした場合、従業員は業務を続行することができなくなる。これは避けたいシナリオだろう。

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