とりわけGoogleは、今回の発表が中国政府または米国政府との調整を図ったものかどうかに関してコメントするのを拒否している。米国政府は、中国政府の要求する検閲に協力することをやめる同社の方針に、非常に深い関心を払ってきた。米国務長官Hillary Clinton氏は1月に、Googleが取った行動を称賛しつつ、インターネット企業はインターネットの自由を守るための役割を果たしていくようにと促す施政方針演説を行った。
3月22日午後に報道関係者向けに開かれたブリーフィングにおいて、ホワイトハウス広報担当のRobert Gibbs氏は、Googleが中国のユーザーを同社の香港サイトへとリダイレクトすることに決定した方針について尋ねられた。同氏は、その件については知っていることを認めたものの、「どのようなディスカッションが本日午前になされたのかを把握する必要がある」と付け加えた。
Gibbs氏は数分前、Googleによる発表の前に、大統領が「オープンな政府と政府による検閲を受けることなく人々がコミュニケーションできることは、非常に重要である」と固く信じていることについて述べた。
Clinton氏は22日に入ってから、Bloomberg TVに対して、中国における今後の事業方針に関する決定は、Googleが決定すべきことであると語っていた。「Googleが何をするべきかに関して、彼らに指示するつもりはない。彼らにとって最も利益をもたらすと確信する決断を自ら下さねばならない」と、同氏は述べた。
Googleは2006年、同社の目標は、中国のインターネット利用者が一般的な情報へとアクセスする機会を改善していくことであると述べ、検索結果の一部を検閲する必要性を説明した。ビジネス上の配慮が、確かに一定の役割を担っていた。中国は地球上のインターネットユーザーの多くを占める地域であり、たとえ国全体で4分の1が活発にインターネットを利用するだけであったとしても、非常に大きな将来の成長性が見込めるとされた。
とはいえ、同社はそれ以来ずっと検閲をめぐる問題との闘いを余儀なくされてきた。Googleの共同創設者であるSergey Brin氏はソビエト連邦で生まれ、これまで同社が政府の検閲に協力する姿勢を取ってきたことに、個人的には賛同しておらず、同社が決定した中国での方針変更の主な推進役となってきたと言われている。
Googleは、22日の発表に合わせ、「Google Apps」の顧客向けに提供している、提供サービスの障害を知らせる「Apps Status Dashboard」のような、中国向けの情報提供を開始した。こちらのページでは、中国政府がどのように同社の各サービスを取り扱っているのかに関するリスト表示が毎日更新されることになる。