DWH導入はベンダー丸投げでOK?--否、Netezzaで実機検証してみよう

2010-04-07 13:00

 データウェアハウス(DWH)分野をけん引する日本ネティーザが開催した「失敗しないデータウェアハウスの選び方」では、セッション2に同社技術本部 システム・エンジニアリング部 部長の原沢滋氏が登壇。「正しいPOC(実機検証)の進め方--実機検証プロジェクト」と題し、DWHアプライアンスの導入で必要となる実機検証について講演した。

DWHアプライアンスのコンセプト

 原沢氏は講演の冒頭、「データウェアハウスを導入したものの、効果があがらず、投資額やコストばかりが増えていくという負のサイクルのような状況に陥る例が今まではあった」と、導入前後の問題を指摘する。しかし、実機検証を行えば、「データウェアハウスは本来どんなことを実現できるのかが明らかにできる」と説明する。データウェアハウスのあるべき姿――すなわちDWHアプライアンスのコンセプトとは、次のようなものだ。

  • 簡単に利用できる
  • 高いパフォーマンスを発揮する
  • 運用管理に手間がかからない
  • チューニングが不要
  • 専任要員が不要
  • 低コスト

 原沢氏は「データウェアハウスを正しく選定するために、実機検証は必ず実施すべきである」と強調する。

POCはベンチマークではない――性能測定で真に必要なものとは?

日本ネティーザ
技術本部 エンジニアリング部 部長 原沢滋氏

 では、具体的にどう実機検証すればよいのであろうか。

 「ベンチマークやスペックの検証などが実機検証ではない。データベースベンダーのマーケティングトークに騙されてはいけない。一般的なベンチマークと、実際に導入する企業のデータ、アプリケーション、環境での結果ではすべてが大きく異なる。実際に使用する実機を使って、導入する企業が現在使用している環境、データ、SQLを用いて検証すべきだ」(原沢氏)というのが、日本ネティーザの見解だ。

 検証は「想定されるデータ量で実施されなければならない」と原沢氏。「導入を検討する企業が現在扱っているデータ量だけで検証していては不十分。3〜5年先にどれだけデータ量が増加しているか。100ギガバイトでは高速処理できても、1テラバイトではパフォーマンスが低下するというものでは困る。将来、データ量が増加した場合の現実的性能を示すべきだ」と述べる。

 「検証作業はベンダーの自由に実施させず、導入を検討する企業自体が主体性をもつことも重要」だと原沢氏は強調する。さらに「検証は短期間で終わらなければならない。最大でも1カ月程度だ。この期間の長さで、実際の構築にどのくらい時間を要するのかがわかる」という。

 日本ネティーザが用意している「評価プログラム」では、検証施設「Netezza Performance Laboratory」内に検証環境を設け、Netezza のパフォーマンスや管理性を、通常1〜2週間ほどの期間で無償検証することができる。2日間でアセスメントを実施し、企業側の環境やSQLの状況、データなどを聞き取り、検証ポイントの定義付け、立証する内容、検証の目標を設定する。その後、数日から2週間で、データロードから実際のSQLプログラムやBIアプリケーションを用いて検証、経過の詳細や結果を記録したレポートを提出して説明するという。

 原沢氏は「実際に検証施設を訪れてもらい、当社といっしょに検証することが可能だ。データウェアハウスの導入を検討する企業は、積極的にPOCに参加してはどうか」としている。

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