NECは4月2日、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を強化するとともに、仮想PC搭載数を従来の約2倍にした専用外部ストレージ「VPCC SAN セットストレージS3」の販売を開始したことを発表した。
強化されたVirtualPCCenterでは、対応する仮想化ソフト(ハイパーバイザ)として、これまでのヴイエムウェアのvSphere 4に加えて、マイクロソフトのHyper-V 2.0が加わった。ハイパーバイザ上で稼働するクライアントOSとして「Windows 7」もサポートする。
またVirtualPCCenterのオプションとして「仮想PCディスク共有オプション」を提供する。1ユーザーライセンス4000円としている。
NECが新たに開発した仮想PCディスク共有は、仮想PCのクローンを生成するソフトウェアであり、仮想PCを“仮想PC+差分データ”で管理する。ストレージ上では個々の仮想PCの差分データだけの容量を確保すればよく、仮想PCに必要なディスク容量を削減できるとしている。仮想PCはマスタイメージを活用して差分データだけから生成するために、大量の仮想PCを素早く生成できるとしている。
加えて、端末から仮想PCへ自動接続できるセッション管理数を最大4万まで拡大している。万単位の端末で構成される大規模システムを必要とするような、全国に拠点がある企業でもセッション管理先を意識することなく同一の手順で仮想PCを利用できるとしている。
VPCC SAN セットストレージS3は、コントローラ性能を強化するとともにキャッシュ容量を増量することで、仮想PC搭載数を従来比の約2倍に向上させているという。大容量ハードディスク搭載モデルを拡充したことで、ラック設置スペースを約半分に削減できるとしている。
仮想PCディスク共有オプションと組み合わせることで、「共用仮想PC方式」をより効率的に活用でき、初期導入コストを約30%削減できるとしている。税別価格は240万2000円からとなっている。
シンクライアントシステムの利用では、1人で1台のPC環境を利用する「MY仮想PC方式」と共通のPC環境を複数で共同利用する共用仮想PC方式へのニーズが高まっているという。今回の強化は、共用仮想PC方式で仮想PCのディスク容量削減と生成時間短縮を可能にするものとしている。