日本ユニシスは4月5日、ネットを含む通信販売、店舗での小売り、旅行業など個人向け(BtoC)ビジネスの経営層向けに現状のマーケティング戦略を診断、評価、分析し、効果的なマーケティング戦略の立案を支援するリスト診断システム「ListDiag.」(リストダイアグ)の販売を開始したと発表した。
ListDiag.の基本コンセプトは「売り上げを見る前に顧客の数を見る」というもので、顧客の数を監視することを目的にしている。主要業績指標(KPI)として稼働顧客数、主要リスク指標(KRI)として稼働顧客数の増減の2つを軸に分析して、マーケティング戦略を立案したり、的確な経営判断を支援するとしている。
ListDiag.の主要機能は、監視、分析、予測の3つになる。監視機能では、稼働顧客数とその増減を「リスト診断(本日の顧客数)」「未来診断(将来の顧客数)」「時系列診断(過去の推移)」「カレンダー診断(日々、月々の変化)」の4つの視点から監視する。
顧客数の状況は危険、警告、注意、予兆、良好という5段階でランク付けして、直感的に分かるように表示する。たとえば顧客数が長期減少している状況を「危険」として赤で表示するなどして、重要情報を可視化して、一目で問題の発生を発見できるとしている。
分析機能は、 顧客数減少の原因を分析する。顧客視点のマーケティング戦略での問題点の原因を究明するために、「顧客増減」「新規獲得媒体」「顧客維持」「訴求」「購買状況」という5つのメニューで分析する。
予測機能は、将来の顧客数を予測する。複数のケースとシナリオをもとに、たとえば「1年後の稼働顧客数は何人か」「売上維持のためには何人の新規顧客獲得が必要か」などの年次シミュレーションメニューを提供するとしている。
日本ユニシスは、ListDiag.の提供ではライセンス型に加えて、導入や運用の手間なく利用できるSaaS型でも展開する。SaaS型では、初回にユーザー企業から顧客数を示すデータをユニシスに預け、以降は差分データをネットワーク経由でユニシスのデータセンターに送るという形を取ることになる。税別価格は、ライセンス型が100万円から、SaaS型が月額10万円から。
ネットを含めた通信販売、店舗での小売業を中心に展開し、4年間で約100社、約10億円の売り上げを目指すという。
日本ユニシスは、1980年代後半からダイレクトマーケティングを中心としたBtoCビジネス向けのソリューションを企業へ提供してきた。近年はSNSやブログ、Twitterなど消費者発信型メディアの広がり、メーカーや既存小売業などの新規参入でBtoC市場が着実に拡大する一方で、消費者の節約志向や商品選別意識が高まっていると見ている。
同社は、これまで培った顧客分析やデータマイニング、受注予測などの技術、ノウハウ、パイロットユーザー企業における検証結果をもとに個人向けビジネスを支援する新たな情報系ソリューションとしてListDiag.を開発したとしている。