日本のワイヤレスBBサービス市場はデータ系サービスが急成長--富士キメラ総研

富永恭子(ロビンソン) 2010年04月09日 19時04分

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 富士キメラ総研は、2009年12月から2010年3月にかけて、日本の広帯域無線通信サービス市場を調査し、その結果を報告書「2010 ワイヤレスBBアプリケーション市場調査総覧」としてまとめた。同調査では、無線ブロードバンドサービスを「通信インフラサービス、アプリケーションサービス」「インフラ関連機器」「モバイル端末市場」の3分野に分けて分析している。

 調査の結果によると、日本のワイヤレス通信(モバイル通信)はより広帯域に広がり、高速化した高機能な通信を実現しようとしているという。移動体通信サービス市場は、高速通信の実現を目指して様々な無線通信インフラサービスが提供されているとしている。携帯端末の3.9G通信方式によるLTEサービスは、既にスウェーデンでは商用サービスが始まり、アメリカは2010年中に、日本でもNTTドコモが12月にサービスを開始、2011年度以降は音声端末向けのデータ通信サービスも提供を予定しているという。富士キメラ総研では、このサービスは今後、発展が見込まれるが、同時に激しい競争が繰り広げられるとも予測している。

 また、各通信会社はデータ系サービスへのシフトを加速し、2009年度時点では、同サービスがインフラサービスで占める割合は42%程度だが、2012年度には50%を超えてデータ系が音声系サービス以上に成長して主流になると予測している。動画などのリッチコンテンツの提供が進むと同時に、2段階定額制でスタート料金を低価格化し、エントリー層需要の取り込みを目指しているという。

 2011年7月には、使用が終了するアナログテレビ放送用の700MHz帯と900MHz帯の通信周波数帯域が、携帯電話通信に使用される予定だ。それに伴い主にPC向けデータ通信サービスにおいても既存チャネルを活用した積極的な販促が行われるだろうとしている。また、イー・モバイルのWi-Fiモバイルルータ「Pocket WiFi」のような新たな利用シーンを訴求することでデータ系市場を拡大する見通しだとしている。

 富士キメラ総研は、このデータ系サービス拡大の戦略により、ユーザーのアプリケーション利用機運が高まり、それを見込む携帯ゲーム機、ノートPC、MID、カーナビ、電子書籍端末など通信モジュール搭載の携帯端末規模が、2009年度の1389万台から2014年度には72.8%伸びて2400万台に拡大すると予測している。

 さらに、2009年度のアプリケーションサービスは、通信会社の公式サイトや一般サイトで提供されているモバイルコンテンツサービスが中心で、2008年度より14%伸びて5500億円を超えたという。この市場ではアップルの「App Store」など独自アプリケーションサービスが展開されており、日本でも多くの企業が参入している。今後、独自アプリケーションサービス市場はスマートフォン市場と連動して成長が見込まれ、2014年度には6600億円に成長すると富士キメラ総研ではみている。

 注目される市場としては、携帯電話サービスとスマートフォン端末の各市場を挙げている。携帯電話サービスは、現状、飽和状態と見られ、買い替えサイクルが長期化したことや、2008年後半からの急速な消費の冷え込みによって大きく落ち込み、2009年度も減少が見込まれるという。しかし、2台目需要や幅広い年齢層をターゲットとしたサービス展開などで、数量、金額ベース共に微増が続く見込みだという。今後は、ほぼ3Gサービス中心になり、データ通信に特化しているLTE(3.9G)サービスは、下り最大75Mbps(10MHz幅)を目指すと見られ、2014年度に500万件規模の契約数を実現、今後も高速化と低料金化を訴求していくとみている。

 一方富士キメラ総研では、これまで停滞していたスマートフォン市場をiPhoneが大きく拡大しているとしている。2008年度の投入当初は、IT技術に強いユーザーが中心であったが、波及効果によりユーザー数が徐々に増えてきたことや、ソフトバンクモバイルのiPhoneキャンペーンにより、2009年度は都市の若者層を中心に新規、2台目需要ともに拡大したとしている。通信会社もスマートフォンの展開に注力しており、2010年度も前年を上回る需要が予測されるという。今後携帯電話のスマートフォン比率は年々高まっていくと同総研ではみている。

 また、2010年度以降は、NTTドコモに続いてKDDIやソフトバンクモバイルもAndroid端末を投入し、販促に注力するだろうとしている。スマートフォンは、タッチパネル搭載やユーザーインターフェース技術の進化で操作性が向上すると共に、配信会社から好みのアプリケーションをダウンロードして個人の利用希望に合わせてカスタマイズできる端末としての認知が広がった。同サービスを提供する通信会社や携帯端末メーカーもLTE対応などの高速化と操作性、グラフィック機能などを向上させるとともに、アプリケーション配信も充実するだろうとしている。

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